木造校舎大暮山分校 白い紙ひこうき大会

木造校舎大暮山分校 白い紙ひこうき大会
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 どんなに小さくてもいいから、校舎と思い出の写真を撮ろうとはじまりました。2回大会では、プロの写真家荒谷良一さんご夫婦が大会を訪れ撮影して下さいました。その写真は3回大会のポスターに使わせていただきました。集合写真は、希望者に実費で後日郵送しております。
写真/荒谷良一氏


 木の専門書『木の文化5 ブナ・ナラ・クリ』(新建新聞社)の「木造校舎のぬくもりとやすらぎ」の頁に、旧大暮山分校舎が白い紙ひこうき大会の様子とともに3ぺーじにわたり紹介されました。7回大会のあたたかで楽しい雰囲気や校舎のぬくもりについて詳しく書いて下さってます。(2006年刊)
 校舎はとりわけ洒落たデザインではありませんが、小さいながらも堂々としたその姿や醸し出す懐かしさは、白い紙ひこうき大会実行委員会のみならず、多くの人を魅了したようです。
 ことのはじまりは、全国の木造校舎を紹介する『ふるさとの記憶 木造校舎』武田信夫著の写真集に紹介されたことにあるようです。平成7年にNHKの特集番組「私のとっておき〜木造校舎」が放送。翌年には「山形酸素」のテレビCMで校舎と子供達の笑顔が県内にしばらくの間放映されました。閉校式の校舎を背にした子供達の最後の記念写真は、明治生命のフォトコンテストに日野イサム氏が応募し入賞、小田和正の「言葉にできない」の歌で有名なテレビCMで起用され全国に紹介されました。そして平成15年、今度はコニカミノルタカメラのテレビCMで、千堂敦子さんをヒロインに、ショートストーリーのロケが行われ、またも全国に紹介されました。ディレクターの方は、東北地方に残る木造校舎を走り回って、イメージにぴったりと選んで下さったそうです。平成19年には、タレント水沢奈子のファースト写真集『Cotton』(彩文館出版)の撮影に使われ、12ページにわたり校舎を背景にした写真が紹介されました。
 その他にも、多くの皆さんが、白い紙ひこうき大会とともに新聞や雑誌、ミニコミ誌、機関紙、写真展などで紹介して下さいました。
 この校舎は、言葉にあらわせない不思議な魅力を持っているようです。真偽のほどを確かめに、ぜひ足を運んでいただけましたら幸いです。
(写真/体育館)
 思い出をアルバムに残してもらおうと、自分の記録も書き込めるチケットを作りました。(2000)
 かき氷り
「やっぱりかき氷りでしょ!」演出目的がはじまりだったのですが、ラムネとともにすっかり売店の定番となりました。2回大会では、すぐに売り切れて氷をもう一度仕入れに行きました。(1999〜)

 本校で大切に保管されている掲額を、特別に借りてきてもともとあった玄関の柱に掲げます。大会準備最後の仕事。いよいよ開会です。(1999〜)
「キンコンカンコン、キンコンカンコン…」
「ただ今より、大暮山分校白い紙ひこうき大会を開会いたします」(1999〜)

 大暮山地区の皆さんの多くの玄関先には、運動会などの時にあげる落下傘花火の薬莢がぶらさげてあります。不思議になってたずねると「魔よけの呪い」とのこと。(ならば大会でも打ち上げよう)と、市販のものをたくさん求め、開会直前にドカンドカン打ち上げました。子供達が落下傘を追って大騒ぎになりました。持って帰ったら玄関先にぶら下げておいて下さいね。(2002〜)
いつも昇降口のところにぶらさげてあります。分校への思いや感想を多くの人がかき綴って下さってます。皆さんもどうぞ。(2000〜)
    (2008年春の状況)

 毎年、補修を町に要望していますが、「壊すと決めたものに予算を充てられない」と叶えてもらえず、どんどん傷みは広がってしまいました。体育館ステージ側の屋根の軒先が雪で折られ、剥がれたトタン板のすきまから雨漏りするようになってしまいました。実行委員会で毎年シートを重ねています。
 「どこかの監督が分校に目をつけて、映画を撮ってくれないかな…」。白い紙ひこうき大会の仲間たちと常々話していたことでした。何ごとも願っていれば叶うものです。コニカミノルタのDiMAGE21というデジタルカメラのテレビCMで分校が全国に放送されました。
 ロケの日は、私は残念ながら見学に行けなかったのですが、息子がしっかりヒロイン役の女優千堂敦子さんのサインをもらってきました。話を聞くと50人以上のスタッフで、とてもにぎやかだったとのこと。
 CMは、映画仕立ての短いストーリーになっています。あらすじは、都会に住む親子が、久しぶりに妻のふる里に帰ってきて、母校の廃校になった分校を訪ねる。教室を覗き込んだり、得意だった鉄棒をしようとして足を滑らせたり、懐かしい時間に浸る。夫、妻に向けてシャッターを押す。妻、ふと「これで最後かもね」と寂しそうにつぶやく。実家に帰ると、一人おかれた小さな娘がほっとして抱きついてくる。優しく抱きしめる。夫、シャッターを押す。夫、こみあげてしまう…。
 実は、ディレクターの手塚英一さんが遊びにいらした折に、このシナリオには隠されたストーリーがあることをお聞きしました。それは、ヒロインの妻が「余命わずか」という設定なのだそうです。ぜひ、このまま映画に発展させていただきたいものです。
 また、手塚さんは、このシナリオにあった木造校舎を探すのに、東北一円を足しげく回ったとのこと。なんとも嬉しい話です。
(2003〜2004年放送)
 2001年、小田和正さんの「言葉にできない」の歌に乗せて、ぬくもりのある写真が連続して映される有名な明治安田生命のCMに、大暮山分校の最後の卒業式の集合写真が使用されました。(撮影/日野イサム氏)校舎を背にしたとてもいい雰囲気の写真です。何枚か紹介された中で最後のトリをつとめました。この子供達の多くは、その後、白い紙ひこうき大会をスタッフとしてサポートして下さってます。
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