レインボープラン推進協議会
▼手間暇かけ生産者と消費者を笑顔でつなぐ(「鳴子の米プロジェクト」から学ぶもの)
手間暇かけ生産者と消費者を笑顔でつなぐ
(「鳴子の米プロジェクト」から学ぶもの)
広報ながい2月1日号「虹の郷発・希望行き 第166号」より
新年早々、協議会では市農林課とともに宮城県大崎市鳴子地区の「鳴子の米プロジェクト」を研修しました。
鳴子は温泉やこけしで有名ですが、この地域は標高400mほどの山間の狭い農地で、夏場は“やませ”冬は積雪という、厳しい気候と高齢化で米生産にとって不利な条件に苦しんできました。
そんな中、2007年から「鳴子の米プロジェクト」に取組み10年、地域は大きく変わりつつあります。大規模経営や効率的農業など国の農政が大転換した時期に着手したこの事業には、次のような特徴があります。
@地域に合った米との奇跡の出会い(寒冷地に適した低アミロース品種「ゆきむすび」を導入しブランド化)
A米の農村らしい景観の保持を目的とした「杭がけ自然乾燥」へのこだわり
B農家が安心して生産を続けられる価格設定(1俵24,000円で直接販売、農家の収入と若手育成・組織運営に生かす)
C農家だけでなく住民が地域の力で農を支える(旅館や酒店での利用など)
住民の皆さんは、民俗学者の結城登美雄さん(山形県出身)の協力のもと地域資源を見つめ直す勉強会を重ね、地域の生活様式や食文化、器や祭りなどの「物語」を米に乗せることに力を入れました。遊休地に生える柳で箸を作り、伝統工芸品の木桶におにぎりを入れるなど生活文化を活かし農産物を「食」へと高めた商品化が進められています。
事業スタート時に30eだった水田は10年で14fに増え、地元はもちろん、首都圏におむすび店を展開する企業の需要に応えるまでに成長しました。全国に900人いる買い手は、米を買い支える消費者であると同時に、地域の祭りや農作業に参加し事業のPRをする応援団でもある、とNPO鳴子の米プロジェクト事務局理事長の上野さんは目を細めて語っていました。
農業の大規模化が進む中で、作り手と食べ手が価値観を共有しながら農と食を支える姿に学ぶことの多い研修でした。
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▲地区内の旅館に掲げられた「ゆきむすび」の協力店PRのぼり
2016.02.01:rainbow
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