レインボープラン推進協議会
▼他のまちの生ごみたい肥化事業を視察しましたB栃木県高根沢町
その3:栃木県高根沢町
域内の有機資源からたい肥を作り循環型地域づくりをおこなっている事例に学ぼうと、レインボープラン推進協議会は今年3月に栃木県への視察研修を実施しました。今回は高根沢(たかねざわ)町の事例を紹介します。
「高根沢町土づくりセンター」は、畜産農家の環境対策と生ごみ減量、環境保全型農業による循環型地域づくりを目的として、平成12年度に稼働を開始しました。レインボープランコンポストセンターと同じメーカーが施工し、レインボープランのすぐ後に稼働を始めた施設ということもあり、高い関心を持って視察しました。
たい肥の原材料は牛ふん尿が主で、年間投入量は約2,600トンとレインボープランの5倍以上。生ごみ、籾殻も約500トンずつ投入されています。生ごみは、町内の一般家庭と事業者から収集されます。家庭からの収集は生分解性プラスチック製の収集袋(有料)を使用しており、長井市のコンテナ方式に比べ、パッカー車で運搬でき生ごみ投入の労力を軽減できる、生ごみ投入口の劣化を防ぐなどの利点がありそうでした。
たい肥は、レインボープランの4倍にあたる年間約1,600トンが生産されています。町内には他に同等の有機質たい肥の供給者がなく、生産されたたい肥はすべて町内で売れているとのこと。農家がたい肥をより利用しやすくなるフレコンバッグでの出荷や運搬・散布サービス(有償)も実施しています。
土づくりセンターの管理運営はJAに委託されており、たい肥の原料収集から製造、運搬散布、農産物の栽培、流通販売まで組織的に取り組まれています。町では、たい肥を使って栽培した農産物に対する認証制度を設けており、町営施設「びれっじセンター」で土壌分析や栽培指導を行うなど、環境保全型農業の取り組みを支援する体制も備えています。しかし、販売面でのメリットがないため認証の取得実績はほとんどないという話でした。
順調に運用されていながらも、大規模施設だけにコスト削減は必至であるとのこと。また確実にやってくる老朽化と更新という課題に対して、町では中長期の修繕計画をたて、定期的な確認検査とともに第三者評価を取り入れ臨んでいるとのことでした。
同じメーカーの施設設備のもと長井市とは違ったシステムですすめられている高根沢町の事業。レインボープランのコンポストセンターやシステムが抱える課題に照らし、考えさせられる点が多い事例でした。
[画像]
フレコンバッグに詰めて出荷されるたい肥
2014.10.01:rainbow
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