レインボープラン推進協議会

▼他のまちの生ごみたい肥化事業を視察しましたA栃木県芳賀町

その2:栃木県芳賀町

域内の有機資源からたい肥を作り循環型地域づくりをおこなっている事例に学ぼうと、レインボープラン推進協議会では平成26年3月に、栃木県の茂木(もてぎ)町、芳賀(はが)町、高根沢(たかねざわ)町を視察しました。今回は芳賀町の事例をレポートします。
 芳賀町では、農事組合法人を前身とする「有限会社ドンカメ」が、平成17年に完成した「ドンカメ堆肥センター」でたい肥化に取り組んでいます。資源循環による地域づくりを目指して事業を立ち上げ、レインボープランを含む全国の先行事例を視察してきた社長の小久保さんは、施設を建設するにあたり「たい肥を作るのは機械ではなく微生物。微生物が働きやすい環境さえ整えれば、大がかりな装置は不要」と考えたそうです。
 その考えを反映して、この施設の特徴はシンプルで低コストという点です。敷地面積は約5千平方メートルとレインボープランコンポストセンターの約半分で、70メートルもの長さを持つ発酵槽はシンプルな構造ながら、レインボープランの2.5倍にあたる年間約6千トンもの処理能力を有します。総工費用はわずか1億5千万円で、部品交換やメンテナンスも安価にできているとのことでした。
 たい肥の主原料である畜ふんは町内近隣から搬入されます。また生ごみは、町内に立地している食品製造会社、企業の社員食堂、商店街などから出る事業系生ごみを中心に、一部の家庭系生ごみも回収しています。集められた原料は、経験的に得たノウハウにもとづく配合で投入され、土着微生物(微生物資材は不使用)の力を存分に活かした発酵工程により年間約1,500トンの良質のたい肥が生産されています。
 完成したたい肥は、そのまま販売するほか、ペレットとよばれる固形状に加工して販売しています。ペレットは運搬と散布の労力が軽減できるため農家に好評だそうです。ちなみにたい肥を利用する農家には、町から補助が出ます。
 民間の取り組みだからこその創意工夫性、品質やコストの管理にかける営業努力はまさに目から鱗。大いに参考にしたい事例でした。

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シンプルながら独自の工夫が施された発酵槽

2014.08.01:rainbow

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