レインボープラン推進協議会

▼農場の定例総会開く


 2月24日(土)長井市民文化会館で農場の第4回定例総会が開かれました。
開会に当たり、竹田理事長は次のように挨拶(要旨)を述べました。

「今年度は昨年に比べ減収ではあったが、経費節減も図り増益、
赤字にはならなかった。皆さんの御尽力の賜物とお礼申し上げる。
立ち上げ当初、「食」は農村にばかり依存することには限界があり、
今後は消費者と一緒にやっていこうという想いであったが、
今、その願いどおり供給体制は整ったと考える。
昨今、食に関わる問題が世界を取り巻いているが、2008年も
「食」という大切な資源をみなさんとともに作り上げてゆくことに
誇りを持って働いていきたい。」

 来賓として次の方々が出席され、それぞれ次のようなあいさつ
(要旨)を頂きました。

長井市長 内谷重治さん
 「レインボープランの基本理念である『土は命のみなもと・循環・ともに』を
ベースに、地域に安心・安全な食べ物を供給することにご尽力いただき、
また行政ではできない、幼稚園・保育園での食育活動にも取り組まれたことに
感謝する。
 食に係わる偽装や中国産冷凍食品問題等に、営利に走った人間のすさんだ心を
感じているが、日本の食糧自給率も40%を切り、根本的なところが問われて
いる。今年は、行政としても皆さんの活動を広めていくつもりだ。」
また、20年度の市政方針の中から次の二つに触れ、理解を求められました。

@域外出荷をめざす『レインボープランの里から』の事業について。
「認証基準には課題もあろうが、農家に幅広く参加してもらうことが大事と
考えている。まず、米、スイカ、果樹等を出荷していきたいと考えているので、
ご理解とご指導をお願いしたい。」

A「第4次長井市基本計画」の市民への理解と浸透について。
「レインボープランの理念をベースに、環境・循環に根ざした市民生活が
できるよう新年度から地区公民館等での活動を通し広く市民に働きかけるよう
準備中だ。」
 
「貴会のますますの発展と循環などの理念が一人ひとりに浸透してゆくことを
祈念しご挨拶としたい。」

レインボープラン推進協議会 会長 江口忠博さん
 「昨年の収穫感謝祭では市民農場さんに里芋の収穫体験イベントを
お願いしたところ、 快くお引き受けいただくなど日ごろからレインボープラン
推進協議会への御協力に感謝する。また、レインボープラン視察者の
農場視察希望者には、忙しい中を丁寧に対応していただき感謝している。
 協議会は、レインボープランの3つの柱である『土は命の源・循環・ともに』
の理念をキーワードに、 協働のまちづくりを目指している。
発足当時の、『ともに』は、市民と行政との関係からのものであったが、
今の『ともに』は同じ市民同志として地域・環境を『ともに』支えあうことと
考えている。
 長井市の農業の現状は大変になっている。今年は『レインボープランの里から』
として域外出荷の元年となるが、これには消費者の理解が不可欠になる。
 今年度は、市民農場、虹の駅、レインボープラン推進協議会ともども、
連携をはかり難局を生き抜いて行きたい。」


議長には、色摩武愛さんが選出され議事が進められました。

《 議 事 》                     

第1号議案 平成19年度事業報告について

 「安全な作物つくり事業」では新たに6名のボランティアが参加、
農作業活動には実人員32名、年間述べ2,711人/日、時間数は
6,094時間に達し順調に推移したこと、
より多くの作目を栽培して市民に供給しようと、水稲を加え17品目を
作付けした。作柄はイチゴが不作のうえ、品目により価格が低迷するものもあり
加えて今年も水害の被害を受けるなどの影響も受け収入は伸び悩み。
スーパーのインショップでの売上が堅調だったにもかかわらず供給額が
予算額に達しなかった。
なお、お米は全量がレインボープランの認証米。すべて市内の学校給食に
供給された。

 「健全育成と食農教育事業」と「生きがい支援事業」では、
市内の1保育園との共同事業として、園児とその保護者を対象として
『なかよし田んぼ』を開設、田植え、刈取りに参加していただき、
農の大切さを体験してもらった。また、市内中学生の職場体験事業の受入れ
事業所として農作業体験をしてもらったほか視察者を受け入れ、
食と農の大切さの啓発につとめた。なお、ボランティアの多くが退職者や
高齢者であることから生きがい支援事業としても年々充実してきているといえる。

 「障がい者の自立支援事業」にも3名の障がい者を受け入れ、
健常者とともに農作業をしたこと。「農の継承者支援事業」では指導者の
確保など受け入れ態勢が整えず、また、希望者もなく今後に課題を残している
こと。「農地のたすき渡し事業」は、面積は少ないものの新たに水田と畑地を
借り受け、実績を上げることが出来たとの報告がなされた。

第2号議案 平成19年度決算報告について  

経常収入6,860,669円 経常支出6,380,561円で単年度収支は
480,108円の黒字、減価償却費と前期までの繰越42,032円が
あることから繰越黒字額は267,392円になることが報告された。

監査報告の後、第1議案、第2号議案とも承認された。

第3号議案 平成20年度事業計画(案)について

基本的にこれまでの事業を継続するが、今年度は重点事項として次の
2点を掲げて取り組むことにした。

1組織体制の強化
 後継者育成と経営の拡大を図るため、管理部門、及び農業技術部門を強化する。

2栽培面積の拡大
 設立目的の実現と経営の安定を図るため荒廃農地を選択的に借り受ける。
なお、年間のボランティア作業人数は延べ2,700人/日を見込んでいる。

第4号議案 平成20年度予算(案)について

 収入の部では、生産物供給事業は前年度実績をベースに、
昨年度同額の7,000千円とし、収入合計は対前年60千円増の
7,410千円を計上した。
 支出の部は、耕作面積の増加にかかる販売手数料を見込んだこと。
農業研修生の受入を見込み、当該研修生に作業を委託することとして
ボランティア参加支援費(人件費)を減額し、委託料の増額を見込み、
総額で対前年360千円増の7,110千円を計上し、
単年度収支は300千円の黒字とした。
 黒字は施設整備など長期借入金の返済に充てることを提案した。
なお、農作物の価格は気象変動とこれらに伴う価格の変動幅が大きく収入額の
不確定要素が多きいことも付け加えられた。

 質疑応答では特に異論は無く、第3号議案、第4号議案とも原案通り
承認された。

 議事終了後、レインボープラン推進協議会の江口会長さんから、
『 レインボープランの「今」 』と題して次のようなミニ講話を頂いた。

 「日本のフードマイレージ(注:たべものの生産地から消費者に届くまでの
距離)は世界でもっとも長く、環境にも負荷をかけている。世界中から食料を
大量に輸入しながら、同時に大量に廃棄している。最近、穀物から石油の
代替エネルギーとしてエタノールを作るようになり穀物価格が高騰しているが、
日本はこのままずっと外国産を当てにできるのだろうか・・・?

 温暖化による収量減と人口増加により需給バランスも危うくなる。
日本もこれからは、食糧を自国でまかなわなければならなくなるだろうが、
レインボープランは発足当初から、この問題を見据えていたといえる。
 昨年、レインボープランの認証基準を今までの作物ごとの基準に加え、
普及促進型として栽培地(面積)基準も新設した。普及促進型は参加しやすい
入門基準として全農家に取り組んでもらい、ここから有機栽培への取り組みを
目指してほしいと考えている。

 これからは、ますます品質の良い食べものが求められていくだろうが、
レインボープランとしては、消費のあり方にも提案していく必要があるだろ。
 最近、コンポストの生ゴミが減少している。生ゴミ自体が減っているのか、
可燃ごみとなって焼却に回っているかは確認してはいないが、出される
生ゴミ自体が減少しているようにも思える。
 今後も生ゴミが減少していくとなると、生ゴミ以外のコンポストも
考えなければならない。しかし、消費者に生産者を支える心と、
子どもたちの未来を考える心があれば、コンポストの種類が変わっても
心配はないだろうと考えている。

 安全は数値で示すことができるが、安心は数値で示すことができない。
安心は信頼ではないだろうか。
市民農場は人が人を支えている。イコール安心感がある。
売り上げが伸びているということは、消費者が安心して買い求めていると
いうことだろうと思う。これからは、安心を求める地域づくりが大切であり、
安心=安全であることが大切だ。

 私は塗師でもの作りだ。作る商品にメッセージがないと売れない。
売れ続けていくためには、メッセージが込められていることが大切。
レインボープランもメッセージを大切にしていくことが大切だと
取り組んでいる。」

終わって、会員と参加者全員で「茶話会」、新年度への抱負などを
語り合いました。

当日の出席者数は、正会員41名中本人出席22名、委任状出席12名ほかに
非会員ボランティアも4名出席しました。

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挨拶する竹田理事長

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「レインボーの理念を活かした町づくりを進める」と
祝辞を述べる内谷長井市長

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祝辞を述べる江口推進協議会長
「レインボーの理念『ともに』は、立場の相違を超えて
『支えあうこと』だと」

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名議長の色摩武愛さん

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役員改選で留任が決まった理事、監事一同

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総会後の茶話会で「今年もがんばろー」



2008.04.02:rainbow

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