ずっと以前に新聞に掲載されていた記事を切り取ってもっていた。「新老人を生きる」というテーマで連載していて、日野原さんと「新老人の会」の会員が交代で執筆しているものである。
今回は標記テーマ、私にとってとても興味深いテーマなので紹介する(日野原重明氏執筆)。
私は2000年9月に、75歳以上の元気な老人に呼びかけて、「新老人の会」を作った。
その後、60歳以上をジュニア会員、さらに20歳以上の若者をサポート会員として会に招いて、立派に自立している75歳以上の会員をモデルに、若い人たちにも「上手な老い方」を先輩から学んでほしいと呼びかけた。
そこで、75歳以上のシニア会員の生き方を見ていて、一般の人が考える老い方とは違っていることを発見した。
人生は峠を上り下りするがごとしという表現がある。人生の50歳までが上り坂、それ以後寿命を全うするまで男女平均して34年間の下り坂がある。これが在来の日本人の平均的な生き方といえよう。
だが、私はこう考える。新老人シニア会員は上述の様に、50歳が自分の人生の頂上となるのではなく、75歳が人生の頂上となり、100歳までのあと25年は身体行動は少しずつ穏やかになりながらも、精神ははつらつとして活動する。
つまり、100歳までは自立できると考えてよいと思う。同じ三角形でも、斜面を長くした100年人生になる。
日本人の100歳以上の人口をみると、1963年にはわずか153人だった。それが、2007年には、32,295人という数にまで増えている。
新老人は一応、100歳を目途に自分をシェイプアップしてほしい。そのためには、たとえ杖をついても、車椅子を使っていても、自力で行動できるように訓練し、そして老人の生き方が子供たちには爽やかな姿として映るように、背筋をまっすぐにして上を仰いで歩き続けてほしい。
新老人の会にはさっそうと歩こうというクラブがあり、ボランティアの元モデルさんに指導してもらっている。ここに集まる老人の眼は輝いている。坂本九が歌ったあの爽やかな「上を向いて歩こう」の歩き方を具現しておられる。
以上であるが、日野原先生はこの新老人の会のまさしくモデルとなり、元気で率いている。50代の私が負けてしまう活躍ぶりである。勝つのは食欲くらいだ(トホホ)。本当に目指すべき姿だ。