編集委員をさせていただいた『不登校入門』完成しました!
欲しい方は、ぷらっとほーむまで。
その中に以下の文章を寄せました。
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不登校は100人いれば100通り。
不登校のきっかけも、笑顔を取り戻すきっかけも。
けれど、お話をうかがって親が経験する感情の流れには共通する部分があると感じた。まさか自分の子供が不登校・・・と予期せぬ事態にショックを受ける。早く不登校の状況を何とかしたいとあれこれやってみる。情報を集めたり、今までの子育てや自分自身の生き方を考え直してみたり。
不登校には特効薬も正しいマニュアルも存在しないと思う。だから、親子ともに悩む過程は自分たちで道を切り開いていくうえで必要なものである。
だからといって親御さんが一人で抱え込んでしまって、いつも不安でいっぱいで、心が疲れ切った状態が長く続くのはとても苦しいものである。
お子さんも親御さんの苦しみを感じてますます心を痛めることであろう。
そんな時こそ視野を広げることが大切なのだと聞き取りをして感じた。
他の人の経験を聞く、信頼のおける人に相談してみる、親の会に出かけてみる、子どもの居場所を探してみる、親の楽しみを持つ・・・方法は人それぞれであるのだけれど。
その人の求める情報を、なるべく遠回りせず手に入れられたら苦しみの時間が短くて済むのではないかとも思った。
子供や親が変わっていくきっかけは、理解ある人や心温かい人との出会いばかりでないのだということも感じた。もちろんありがたい出会いによって少しづつ元気を取り戻していくし、見守ってくれる人がいることで心強くなれる。
しかしそうではない環境におかれたことによっても、それまで親はプレッシャーをかけながら子供の方だけを見ていたのが、子どもの味方は自分しかいないと横に並んで子どもの未来を親子で見つめる、もしくはちょっと後ろのほうから最強の応援団として支えていくというスタンスに変わっていったからだ。
親の「願望」は学校に戻ることであるかもしれないし、笑顔を取り戻すことかもしれない。新しい道で自分らしく生きて欲しいということもあるだろう。価値観はそれぞれで当然。
ただ、押し付けであってはならないと思った。
この子は大丈夫!という自分の子供を信じる「希望」を持ち続けることが大切だと感じた。そして希望を持つことによって、子ども自らが成長していくのを待つことができるのではないかと。
教育の現場、家庭においてまず何よりも大切にされなければならないもの、それは命。命は心でもあると思う。
不登校の子は自分を責め苦しんでいる。その子の苦しみを増すような言動を親は決してやってはいけないと、この聞き取りと私自身の娘との経験を通して強く思っている。
不登校に限らず子どもの選んだ生き方を受け入れて認め、子どもの心を守っていきたいとあらためて感じた。
そして社会が苦しんでいる子どもを追い詰めることなく、学校の先生をはじめ地域の人や関わっているすべての人が子どもの命=心を守るために動いていただきたいと願う。自分から声を上げることができる親子ばかりではないのだから。
最後に、この聞き取りのために辛い体験を話してさったみなさまに心より深く感謝いたします。
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