11/16(日) 保健センターで 人間塾の仲野好重(なかのよしえ)さんの講演会と、シンポジウムを開催しました。
第一部の仲野さんの講演会は、とても心があたたかくなるお話でした。
学校では点数や偏差値で評価されるが、数字で人間を価値づけるほどアホらしことはないという話に、まったくそのとおりだと思いました。人間としての偏差値なんてないんだということでした。
親の会でもよく出る話ですが、不登校・ひきこもりの親は子どもを「待つ」ことが出来ずにイライラしたり、つらい思いをするのですが、仲野さんは待つことの大切さを教えてくださいました。
子どもには子供のペースがある、大人のスピードを「早く、早く」と押し付けてはいないか?
「早く」とは「待たないよ」と同じ意味があるとのこと。
これは、日本の高度成長と共にスピードが角一化されてきたからだそうです。そして今もなお、そうした平均像をめざしている親、教師、学校がほとんどであることもそのとおりだなぁと感じました。
みんな一人一人違う、だからおもしろい!のに、社会全体がそれぞれの人生の「時」を待つことが出来なくなってしまっているということでした。
そして、元気が出る言葉もたくさんいただきました。
「人生は50歳から!50歳までは助走」
「自分の人生の主人公はあなた」
「一生懸命生きてるからこそ考えたり悩んだり立ち止まるのだ」
演題は『今日はじめよう、ありのままの自分から』でしたが、どんな姿になろうとも、悪いことをしたとしても、社会から受け入れられなくても「ありのままのあなたは大事な人」ということを若者に伝えていきたいし、「自分は捨てたもんじゃない」と思って欲しいとおっしゃっていました。
会場から 「ひきこもりの子どもをいつまで待てばいいのか?出てくるタイミングは見ていてわかるのか?」という質問がありました、
仲野さんは「それは突然やってくるかもしれないし、じわじわやってくるかもしれない、本人にもそのタイミングはわからないのです。まわりは日々たんたんと普通に過ごして待っていてください。飯盒で米を炊くとき、途中でふたを開けたら失敗するでしょ。出来上がりまで待ちましょう。」と答えていらっしゃいました。
第二部のシンポジウムは、コメンテーターとして引き続き 仲野好重さんをお迎えし、コーディネーターは滝口共同代表でした。パネリストには亀山さん(経験者)、設楽さん(経験者)、そして松井共同代表です。
経験者からは、ひきこもりの始まりからの心情をお聞きしたり、どういうきっかけでまた社会とつながろうと思ったか、どんな支援がありがたかったかなど貴重なお話を聞くことができました。
支援者からは、どんな気持ちで関わってきたか、当事者に支援と感じさせない支援のあり方、つながりやすくするためにさまざまな入り口を作っていることなど、ぷらっとほーむの活動を通して感じたことをきくことができました。そこに仲野さんの語りが加わって、とても学びが多いシンポジウムでした。
重いテーマではありますが、仲野さんの明るいお人柄、松井さんのユーモアで楽しい時間でした。
最後に、勇気を出して大勢の人の前で自分の経験を話してくださったお二人に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!
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