おさむ茶マイルーム

▼ホリエモン・ショック

 ライブドアの強制捜査をきっかけに同社の株が大暴落している。まさにミニバブル崩壊、ヒルズ神話の瓦解である。投資家だけでなく、ようやく明るい兆しが見え始めた日本経済も冷水を浴びせられた格好だ。ちょうど昨年の秋ぐらいだったろうか。ライブドアの株を買おうと思ったことがある。当時の株価は300円台半ば。常に乱高下をする同社の株価の動きを予測するのは難しいが、何となく上昇局面に転じるような気がした。でも、投資というには、おこがましい程の僅かな金額とは言え、ホリエモンやライブドアに協力するのはバカらしいと感じて思いとどまり(金の都合もあったが…)、今にしてみれば結果論だが正解だったようである。
 それにしても、溺れた犬を叩くではないが、ライブドアに関する悪材料が次から次へと出てきた。役員の関与、粉飾決算、マネーロンダリング、挙句の果ては上場廃止も視野へ…。時代の寵児ともてはやされたホリエモンは、一夜にして失格経営者、稀代のペテン師の烙印を押された。同時に手の平を返したようにライブドアバッシングに走るマスコミの節操の無さにも呆れるしかない。

 確かにホリエモンは調子に乗り過ぎたところがあった。古参の大企業経営者らは、あの強引なやり方を苦々しく思っていただろう。しかし、ホリエモンの登場は、決して罪≠ホかりではなかったはずだ。功≠フ部分もあった。少なくとも会社は誰のものかという議論を巻き起こし、これまで軽視されがちだった株主の存在や情報開示の重要性にスポットを当てた点は評価してもいいと思う。願わくば、ライブドアへの批判が、こうした功の部分も打ち消し、日本の企業を昔のような閉鎖的な体質に逆戻りさせることだけは避けてほしい。
企業の存在価値は利益を上げること、金儲けのできない経営者は失格だと、言われればそれまでだ。
 しかし、同時に社会に貢献する気持ちも忘れてはいけない。資本主義経済である以上、競争は当たり前だが、金さえあれば誰でも支配できるという弱肉強食とは違う。企業人としての最低限のモラルと矜持は持ち続けるべきだったと思う。


2006.02.10:osamu

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