『米坂線の今』羽前松岡駅 除雪機とトイレのタオル

 羽前松岡駅は1935年(昭和10年)10月30日に開業しているが、建物財産標には1936年(昭和11年)4月とあり、待合所は開業後半年を経て設置されたことになる。また駅名のローマ字表記が「Uzen」ではなく「Uzem」となっているのも面白い。

 

 駅舎は国道113号線から細道を入った所にあり、工事現場風な建物である。待合所にはイス3脚とシートが掛けられた除雪機があった。米屋こうじさんが17年前に撮られた写真には、松岡駅前には2メートルを超える程の積雪があった。除雪機は羽前沼沢駅にも保管されていたが、この区間の必須装備であったのだろう。

 

 待合所にはトイレもあった。旧式トイレだったが隅々まで掃除が行き届き、タオルもきちんと掛けられていた。駅を利用する人たちのために、朝早くから除雪機を操作し、トイレを掃除してくれたのは誰だったのだろう。かつて白兎駅で管理作業をしていたご夫婦が、汽車通学をしていた女生徒から感謝の言葉をいただいたという話を聞いたことがある。松岡駅にもそんな風景があったのだろうか。

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2025.10.06:orada3:[停車場風景]