あの日あの時へ  (その2:ホームの記憶)

 左は「発車2分前(奥羽本線山形駅)」、右は「終着駅(仙山線山形駅)」とのキャプションが添えられている。いずれもホームの風景である。

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 左の写真を見ると、東京駅に降り立った時と似た感情が湧いてくる。ホームの先にある都会の華やかな世界。その世界に早く飛び込みたくて、人波の間をワクワクしながら進んでいくのである。昨日までの自分は、そこにはない。

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 右の写真を見ていると、赤湯駅3番ホームに降りた時のことを思い出す。ホームのその先には跨線橋に上る階段が見えるのである。その時、都会の雑踏の中にあって気づかなかった緊張が、融解していくのを感じるのである。ホッと息を吐きだす。

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 ホームには故郷を旅立つ時の思いと、望郷の念に駆られた記憶が映っているように思う。鉄道やホームは、今もなお同じ感情を醸し出させる舞台装置のように思える。「集団就職の時代」に比べて希薄になっているであろうが・・・。

2024.10.09:orada3:[駅茶こぼれ話]