「軌跡、」に思う

 Y君の写真展が地元紙で紹介されたこともあって、駅茶にはたくさんのお客様が来られた。ちゃぶ台の上に置かれたパネルにはY君が写真家の仲井精也さん、故広田泉さんと並んでいる写真が飾られてあった。Y君のこれまでの軌跡の中で、こうした有名な写真家との出会いが大きな財産あるいは転機になったことを示すものだろう。

 そう思うと展示されている作品の中に、Y君の姿が見えて来るように思えた。小学校で初めてカメラを手にした時のこと。部長として頑張った高校時代。大学生になって実施した大学連携展示会のこと。そこには一緒に活動した友達がいて、恩師と呼べる先生との出会いがあったのだろう。自分の来し方を表現できるモノ(作品)があることを羨ましいとも思えてくる。

 「Yがお世話になっています。これからもよろしくお願いします。」と挨拶された。Y君のおばあさんだった。Y君の軌跡の中で、これまでず~っと温かく見守っていてくれた存在だっただろう。そしてこれからもずっと、ず~っと心配してくれる人なのであろう。この写真展はY君の多くの人への感謝の気持ちと、未来に向けた決意を示すものであろう。「軌跡」の後に続く句点「、」にY君の決意が伺える。さて、私にとっての「軌跡、」は・・・・・。

2024.08.20:orada3:[駅茶こぼれ話]