『7人展Ⅶ』②  紅(くれない)の山

 作品紹介の2番目は、歌丸の人さんの「紅(くれない)の山」。白川橋梁を走るフラワー号。そしてその奥には、紅に染まる雄大な飯豊の山々が見えている。普段の暮らしではフラワー号の見慣れた景色しか見えないが、そこは盆地空間の一部でしかないことに気づかされる。

 

 大道寺吉次の句に「起き出でて葉山の峰を眺むれば恥じらふ色に雪を染めたり」がある。葉山よりも遠くにある飯豊連峰は、より荘厳な姿である。四方にそびえる連山は、私たちを見守っているのか、はたまた閉じ込めようとしているのか。

 

 歌丸の人さんのA1サイズの大作は、ふるさとの山の存在を改めて知らしめるものである。東西南北それぞれの山容の作品を見てみたいものだと思う。

 

 

大道寺吉次の句はこちらから

 → 起き出でて:おらだの会 (samidare.jp)

2023.08.15:orada3:[停車場風景]