宮内駅を出ると線路の両側にサクランボの果樹園が広がり、一家総出で作業している姿を見ることがある。やがて織機川を越えると列車の窓から手が届きそうなほどに、果樹の枝が伸びているおりはた駅に到着する。
サクランボの実る頃は
お父さんも、お母さんも、爺ちゃんも
朝早くからサクランボ畑に出かける
家に残っているのはばあちゃんとわたしと弟
わたしの仕事は弟の子守りだ
いっぷくの時間になると
ばあちゃんが作ったミソ揚げと
甘いお菓子を持って畑に出かける
サクランボの甘い香りの下で
輪になってみんなでいっぷくだ
今も心に残る家族の風景だ