地域振興の切り札としてフィルムコミッションが期待された時期があった。山形鉄道を一躍有名にしたのはスィングガールズ(2004年公開)だったが、成田駅がロケ地となった最初は平成22年(2010年)公開の「ロスト&ファウンド」だろう。この映画は、ローカル線の落し物預り所で交差する様々な人間群像を描いたもので、奥深いものを感じる物語である。
このドラマの中で重要な役割を果たしているのが事務室に置かれたストーブである。ストーブの暖かな炎に包まれて語られるこのセリフが心に残る。先日、3年ぶりで再会した大学生が「私にとってここは、帰りたくなる場所だ」と語っていたことが思い出された。
・学生時代の部室に似ているが、一つ違うところがある。ここはとても温かい。
・大事なものほどなくしてしまうものだよ。
・私はずっとこの話を聞いてもらいたかったのかもしれません。
・またいつでも遊びに来てください。
【おらだの会】このストーブは村川徹監督の「トラベルミステリー」でも親子の回想シーンで登場している。こちらをご覧ください。