(31)白兎駅開業

 駅協力会の資料によれば、平成元年(1989年)1月31日に白兎区で白兎駅早期建設を長井市長に陳情し、平成元年6月26日には新潟陸運局より白兎駅の新設が認可されたとある。これに合わせて駅協力会の名称も同年6月27日に、「羽前成田駅・白兎駅協力会」に変更している。白兎駅は平成元年12月16日に竣工、開業した。駐輪場やトイレなどは、平成3年1月から3月に、市の補助金を得て駅協力会が304万円で整備したという。成田駅周辺の環境整備に続いて大変な事業を果たしたものである。

 

 ホームだけの小さな駅であるが、白兎(しろうさぎ)駅という全国唯一の珍しい名前と山形県のビューポイントにも認定されている葉山連峰の眺めの良さから、訪れる人も多い。また鉄道写真家・中井精也氏が「日本の原風景の里山を象徴するローカル線」として山形鉄道を紹介した際の巻頭写真に白兎駅を掲載している。このような評価を、30年前の先輩方は予想できたでしょうか。地元から出されたという当時の陳情書をみてみたいものだ。

 

 そしてこの小さな駅には、心温まるドラマがあったのです。白兎駅から通学していた女子生徒が卒業の時に駅の管理をしてくれた老夫婦に・・。どうぞこちらをご覧ください。

→ 停車場ノート33 おじいちゃんありがとう:山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)

 

 

【おらだの会】写真は白兎駅竣工式の様子。(「写真で見る致芳のあゆみ」より)

2022.05.05:orada3:[羽前成田駅100年物語]