鉄道アイドル・伊藤桃さんがインスタグラムに書いた言葉からローカル線の魅力を考える第2弾。それは各人の「イメージ」を現出させる「構造物」又は「小道具」が存在することである。特にイメージ系として国鉄、昭和レトロといった感情をお持ちの方にとっては、木造駅舎は最も強い印象を与えるものかもしれません。ここで桃さんの感性に響いたモノを駅レポから拾ってみましょう。
・しぶい!!登録有形文化財にも登録されている、1914年の国鉄長井線開業時からかわらぬ木造駅舎の西大塚駅です
・駅舎だけでなく、ホームの雰囲気もレトロ
・長井駅!ホームにある、この上屋の感じがよき…
・まるで今も使われているような駅務室、ずっと変わらぬ羽前成田駅
・うぉぉまさに国鉄時代、この素朴さがかえってよい
・まさにおばあちゃん家
・まるでタイムスリップしたよう…レトロな味わいは残しつつ、キチンと英語表記の駅名標
・駅務室ちらり覗き見、かっぱ号(の看板)気になる…
・無人でも手入れが行き届いている出札口。おお、昭和29年1月1日の台帳もありました!
さて長井線の17駅の中で有人駅は4駅だけである。しかも昔のままの姿が残っているのは西大塚駅と羽前成田駅の2つだけである。けれども駅ノートを見るとホームだけの駅にも、途中下車している人の多さに驚くことがある。ここで、「駅とは何だろうか?」と勝手に自問することになる。
未知なるものへの憧れは旅に出る最も大きな衝動であろう。「ぶらり途中下車」して「駅めぐり」をしたいと思うのは、駅が未知なるものへの入り口、「どこでもドア」だからではなかろうか。その駅舎を通してその土地の何かに出逢いたいからなのだと思う。それは道の駅や新幹線の駅では味わえない感覚ではないだろうか。
ローカル線で本物の旅を味わいたいと思う旅人にとっては、駅は無人でも手入れが行き届いていればいい。昭和29年の台帳やかっぱ号の看板などちょっとした小道具があればいい。窓辺に野の花の一輪挿しがあればもっといい。そして次の列車を待つ間に、ホームをわたる風に吹かれながら、旅の想い出を書きとめる駅ノートがあれば良いのだと思う。
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【おらだの会】写真は『駅ノートイラスト展』より