前回、成田駅開業当時の状況を紹介しましたが、その後成田駅前は急激に活気づいていきます。写真の地図は「成田駅前の発展」としてふるさとめぐり致芳に掲載されたもので、当会のブログ(2018年5月12日:停車場の追憶写真帳)でもとりあげていたものです。
この地図では年次が明らかでないのが残念ですが、先の地図と比較すると宇右エ門曲がりがなくなり、真っ直ぐな道路になっています。山口五左エ門家が移動し、その土地に農協や郵便局が建てられたようです。あんびん屋は現在の宮崎家、松林堂菓子舗は孫田家の先祖が商売したものだそうで、駅の開業を機に地元の人達が果敢に起業していたことが伺えます。
街は時代と共に変貌を余儀なくされるものであり、その記憶も途絶えやすいものです。けれどもこの小さな界隈で生まれ、消えて行ったものの中には、地元民としても忘れてはいけないものがあるような気がします。長井線や成田駅に関わった先人の足跡を幾つか紹介していきたいと思います。
「停車場の追憶写真帳」はこちらから ⇒ 停車場の追憶写真帳:山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)
【参考資料】致芳の屋号と家紋(致芳郷土史会編:平成28年)、ふるさとめぐり致芳(致芳地区文化振興会編:平成9年発行)