長井線リポート(5) 10年後の君たちへ

  列車に乗って長井線を応援しよう。長井線を10倍楽しむネタを探す旅は、鮎貝駅に到着した。目に飛び込んできたのは、木製の長大看板。ホーム側には最上川橋梁を走るフラワーライナーが描かれ、「フラワー長井線10周年おめでとう 10年後はきみが主役、それまでがんばって!」の文字が躍っている。裏面にはきれいな花畑を走るフラワー号とアンパンマンやドラえもんが描かれ、数人の子ども達の名前も見える。

 

  鮎貝小学校を訪ねて、当時、この看板の制作を指導されたО先生を紹介していただいた。О先生の話によると、10周年記念事業として学校に看板制作の依頼があって、参加希望を寄せた子供数人で制作したとのこと。「10年後はきみが主役」は、校長先生が山形鉄道と子供達に向けてのメッセージだったのだそうです。10年後には子供達も成人を迎え、山形鉄道も厳しい状況を脱して力強く歩んでいくだろう、そうあって欲しいとの想いです。

 

 

  もう現役を引退されたО先生は、「今でもあの看板を見ると、あの子たちは元気にやっているだろうか。普通の幸せな暮らしをしていて欲しいなぁと思うのです。」と語ってくれました。看板は時間の経過の中で色あせてはいますが、先生と子供達、そして校長先生の笑顔が見えて来るようです。2022年10月には鮎貝駅開業100周年を迎えます。この看板が伝えるものをもう一度考えてみたいものです。

 

  オンシトノデアイ  トモトノワカレ  エキニハ  ソレゾレノ オモイデガアル

  ジュウネンゴノ キミタチニ  ナニヲ ツタエルコトガ デキルダロウ

2021.02.23:orada3:[長井線乗車リポート]