いよいよ出札口の窓口部分です。仙台からおいでになった寿司職人の方から、「この台は付け台といって、大切な人に品物をお渡しするときに使うものだ。」と教えてもらったことがあります。
成田駅の付け台は銅板でくるまれているのに対して、西大塚駅は木製の台の中央部分に金属板をはめ込んでいます。台座がとても美しい曲線を描いています。大事なものをお渡しする、それこそ神聖な場所といった感じがします。
ところで成田駅の出札口は2ケ所あって、その1ケ所は銅板葺きではありません。駅に残る昭和19年の写真を見ると、この当時は銅板葺きの窓口しかなかったようです。いつの時代に窓口が2つになったのでしょうか。成田駅の出札所に並ぶ新・旧の付け台は、鉄道盛衰の語り部なのかもしれません。