100年後に残るもの
駅前に案内板が設置された。長井市の心のまちづくり基金の助成を得て設置したものである。設計監理を工藤建築研究所の工藤代表、施工をTETTE工房の矢口さんにお願いした。12月11日の記念式典で工藤さんが案内板の設計のコンセプトを説明された。登録有形文化財である成田駅の雰囲気に合ったものとなるように、成田駅の意匠特徴である方杖などのデザインを取り入れたこと。さらに史跡案内等にQRコードを利用したが、致芳小学校児童が制作した「おせきの供養塔」の紙芝居を取り入れたことなどが説明された。 式典終了後、矢口さんから「この看板は100年を迎えられるだろうかと工藤さんと話したんだ。」と教えられた。思えば羽前成田駅の建設に携わった職人たちは、100年後のこの日が来ることを予想したであろうか。また腕木の欠け込みや木戸の一枚彫の意匠が、100年後に驚きをもって眺められることを予想したであろうか。 慰労会の際に工藤さんからは5年をめどに防腐剤を注入することを忘れないで欲しい、と言われた。駅前の看板は、特別に珍しいものではない。けれどもその制作にあたった工藤さんや矢口さんの思いが込められていることは伝えていきたいものだ。 駅舎の方杖はこちらから → 車寄せ 方杖&梁の欠き込み:おらだの会 (samidare.jp)
2022.12.20