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わがうちなる長井線 その2

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わがうちなる長井線

                     芳賀秀次郎

その頃の汽車は、いかにも小さな箱型で、ぼくらはこれをマッチ箱と呼んでいた。これには本線を走っている立派なボギー車との比較による、やや軽侮の感じもないわけではなかった。しかし、このマッチ箱という呼名には、もっと素朴であたたかい親愛の気持ちがこめられていた。…略…。

 

【写真:白鷹想い出写真館より】

  蚕桑駅昭和28年(1953年)頃

     鮎貝駅から修学旅行に出発  昭和10年(1935年)頃

2019.10.10:orada2:コメント(0):[停車場の記憶]

わがうちなる長井線 その1

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白鷹町蚕桑出身で歌人、詩人でもあった芳賀秀次郎氏が書かれた「わがうちなる長井線」という題のエッセイがある。「やまがた散歩」というタウン誌の創刊号に寄せたものである。この中の長井線の風景に係る部分を、手元にある当時の写真等と共に紹介していきたい。写真は長井市史第3巻(近現代編)より。

 

 

 ぼくの故郷白鷹町は、昔の名を蚕桑村といった。(略)。この村に鉄道が開通したのは大正十二年である。ぼくは小学校の二年生であった。遠い記憶を辿ってみても、汽車が通るということは、ふるさとの村にとって、ほとんど革命的な出来事であった。遥か遠い物に思われていた「都会」の匂いや、「近代」というまばゆいものが、汽笛のひびきと共に突如として村にやってくるのだ。村の大人も、子どもたちも、胸をおどらせながら、鉄道という名の「文明」が石炭の煙をふき上げながらゴトゴトと通る日を待っていた。(略)。長井線開通の日、ぼくらはそろって旗行列をした。桑畑のなかの村道を、日の丸の旗をふりながら歩くと、何かもうすばらしい幸せをつかまえたような喜びがあって、心がはずんだ。(略)

2019.10.08:orada2:コメント(0):[停車場の記憶]

車掌の一言(旅の思い出)

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9月7日

駅茶にリュックを背負った方がおいでになった。その方が見せてくれたのが、写真のカード。コレプラというのだそうです。購入するときに車掌さんから、「千円で乗り放題のチケットがありますよ。」と説明されたそうですが、乗車記念カードが欲しかったのだそうです。ニコニコといかにも嬉しそうに教えてくれました。今の世の中、ほんとにいろんな楽しみ方があるものですね。旅の人にとっては、記念カードを得たことに加えて、車掌さんに優しく説明されたことも嬉しい旅の思い出だったのでしょうか。駅茶でのひとときも・・・・。

2019.10.04:orada2:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

長井線祭りのご案内

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10月20日に行われる長井線祭り・成田駅会場のチラシができました。(いかにもダサい仕上がりですがご勘弁を。) 今年も縄文太鼓の演奏をお願いしています。今年で35回になる縄文祭りは10月13日(日)11時から15時まで、長井市西根地区の古代の丘で開催されます。縄文遺跡群の中で演奏される太鼓の響きは、聞く人を縄文の世界へと誘います。成田駅での演奏も本場・古代の丘での演奏も、どちらもお楽しみください。

 

縄文祭りの動画はこちら  ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=BEJQeyktWrE

成田駅の宝物  駅勢概況表

  • 成田駅の宝物  駅勢概況表
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陽に焼けてあちこち剥がれてしまっている概況表。昭和38年4月の日付がある。38豪雪に見舞われた年である。一日の乗客数が昭和36年(1961年)が300人。ウィキペディアでは平成9年(1997年)104人、平成29年(2017年)が50人となっており、調査内容が同じだとすると現在の6倍ほどの利用者がいたことになる。産物は米2121トンの他に繭121トン、ホップ12トン、葉タバコ4トン。繭で121トンとはどれぐらいの容量になるのだろうか。そして八幡神社の祭礼は、10月第1土・日になっている。神社総代長は、明治からの記載のある「宮司の神社日誌」を調べてくださった。それによれば、例大祭は明治22年から昭和22年までが9月15日(旧8月15日)、昭和23年から32年までが10月15日。昭和33年から50年までが10月第1日曜日で、昭和51年から現在までが9月の第2日曜日になったとのこと。剥がれ落ちた箇所にも、面白い情報が隠れていたんだろうなと思う。やはり丁寧に保存しておくことが必要だな、とつくづく思います。

2019.09.29:orada2:コメント(0):[成田駅の宝物Ⅰ]