おばね地域おこし協力隊

▼信じる力

先日、名木沢という集落の方から依頼で神社の雪下ろしに行ってきました。


金山神社というお不動様を祀ってある小さな神社です。


依頼者の矢作さんは毎年雪で抜かる道を一時間もかけて進み、雪を下ろして帰って来ます。


それを一年に2、3回はするとのことでした。


いつもは夫婦で行くそうでしたが、奥さんが行けない理由があったため今回の協力隊への依頼になりました。


矢作さんと出発するときにたくさんのご飯とおやつ、飲み物を持たしてくれました。


リュックはかなりの重さ笑


しかしこれは気遣いの重たさです。


尾花沢のおもてなしのこころだからいいのです。


心は軽く、かんじきを履きスタートしました。



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片道で一時間。覚悟はしていましたが・・・。


ゆっくりゆっくりと一歩ずつしか進めません。


例えると足に5キロの鉛を付けられているような感覚です。


しかも大きく足を上げないと進めません。


ゴールもわからない見えない状況で今度は吹雪いてきました。


正直なんでここまでしなくちゃいけないんだと思いました。



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それでも40分ゆっくりと進み続け神社の入口へ。


矢作さん手づくりのパイプで作った鳥居が雪に埋まっていました。なんともすごい光景でした。


「あと200メートルで着く。」その言葉を励みに進みました。


膝まで沈むふわふわの雪の上を200メートル歩くというのはあまり励みになりませんが。終わりが見えたことがなにより。


どんなことにも目指せば終わりが来るものです。



言葉少なに全部で小一時間。神社に着きました。


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神社の中は思ったより広く、中央には恐ろしい顔をしたお不動様。


汗で体中から湯気が出る中、カセットコンロを前に一服しました。


服がだいたい乾いたところで雪下ろしに掛かりました。


誰も来ない何もしていない神社の屋根には1メートルほどの雪が乗っていました。


すでに屋根から落ちた雪も山盛りでしたが、約2時間スコップを動かし雪下ろしは無事終わりました。


またもや汗で体中から湯気が出る中、カセットコンロを前に一服。


しかし今回はご飯付きです。


ふたりでご飯を食べながらいろんな話しをしました。


その中でなぜここまで来るのかを聴いたのです。



ここまで生きてこれたのはこのお不動様のおかげかもしれないから。


ご先祖が引き継いだ大切な神社。それをずっと大切にしてきたから今の幸せがあるのだそうです。


信仰心もありますが習慣に近いとも言っていました。


当たり前にその家で繰り返されてきたことが当たり前に行われているということなのかもしれません。


しかしそれが簡単に途切れる危うさを持っているのが私たちの世代です。


いまの世の中、家を継ぐ守るといった概念は古い。


よく聴きますよね。



おまじないや占いが大好きな若者は多いですが、習慣として仏に手を合わせるような若者はあまり見ません。


実際、神社や仏像は一種の芸術品のように見えてしまうことが多いです。


何かを信じるほど弱くないのか、恵まれすぎているのか、年を取ると拝むようになるのか。


信仰の心も大事ですが習慣としてその家を守り繋いでいく想いは育てていかなくてはいけないと思います。人口の少ない場所ならなおさらです。



信じる心と習慣は似ています。


しなくては落ち着かない。


もしかしたら最終的には自分のためなのかもしれませんね。


なんだか話しの方向がおかしくなって来ました笑





神社での休憩を終えて外に出ると雪は止み日が差していました。


帰りは踏み固まった道をすいすいと歩いていけます。


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帰り道の嘘のような好天と足場はお不動様が見ていてくれたのだと思わずにいれませんでした。


がんばること、信じること。



アナチャはカミヲシンジマスかァ〜?




最後にこういうこと言うとバチが当たるわけです。←これも信仰心です。


画像 ( )
2013.01.23:obanenouta

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