NORIYOs NOTE

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介護の仕事でお邪魔すると、まずご挨拶から始まり、体調を確認し
日常での出来事を伺う。

思わず会話が弾んで、ケア時間の半分以上を話に使ってしまう事もしばしば。
慌てて掃除を始める。

話が弾むというよりも、聞き手に徹して楽しい時間をすごしていただくために。

年を重ねると、先の楽しみも無くなり、お葬式やお墓の事を心配したり、
残された夫(妻)の面倒をどうするか悩んだり、
自由がきかなくなってきた体にストレスと絶望を感じたりと、
マイナスの悩みは尽きず、夜に安定剤や睡眠剤を服用している方も多い。

外出するのは病院だけ。
先生に痛みを訴えると薬が増え、症状ををうまく理解してもらえず
何時間も待たされて、逆に疲れて帰ってくる。

自宅の窓から外を眺めると、はつらつと歩くお年寄り。
「わたしよりも年行ってるのに、あんなに元気に歩いていいねぇ…。」
と、ぽつりとつぶやく。

在宅介護を利用している方というのは、そういう現実と日々向き合っているのだ。

ヘルパーとして掃除も大事。でも心のケアはもっと大事だと思っている。
介護士は病気を治してあげられないけれど、
今こうして自宅で暮らせる喜び、季節を肌で感じられる幸せを共に感じながら

「話す」ということで、とびっきりの笑顔を引き出してあげられたらいいなと私は思う。

2011.09.06:noriyo:count(721):[メモ/NORIYO’s ダイアリー]
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