NORIYOs NOTE

▼ヘルパーのタブー【身体介護編】

以前、訪問介護員が「生活援助」として自宅にお邪魔した際に、
やってはいけないことを取り上げました。

今回は「身体介護」としてのタブーをいくつか取り上げてみたいと思います。

まず身体介護とは、読んで字のごとく体に触って介護を行うものです。
大きく分けると5つの作業に分類されます。
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@排泄介助…トイレ・Pトイレ(ポータブルトイレ)・オムツ

A食事介助…食事介助・流動食介助

B清潔介助…清拭・部分浴・全身浴・洗面・整容・更衣

C移動介助…体位変換・移乗・移動・外出介助

Dその他……服薬介助・自立支援のための見守り的援助
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元気な方であれば、全て1人でこなしているものばかりです。
日常の生活動作に手伝いが必要な方に対して、サービスを行っています。

「タブー」というのは、@〜D以外といっていいでしょうか。
例えば…
●背骨が痛いからちょっともんで〜
●爪伸びてきたから切ってくれないかしら〜
●お薬一か月分もらってきたから日ごとに分けてほしいんだけど〜
●病院付き添ってくれないかしら〜
などというのは、ヘルパーが行ってはいけないとされています。
マッサージのようなものは、リハビリに近いので、資格を持った訪問リハビリの方が行えます。

お薬を分けることや、口に薬を入れて差し上げる事は、
「医療行為」にあたるので、訪問看護の方が行えます。
目薬も医療行為なので、基本的にヘルパーは×。

ヘルパーは指示された粉薬や錠剤の袋を開いて渡すところまでで、その後は自力で飲んでもらいます。

以前は病院の付き添いも行えましたが、数年前から制度が変わり、院内介助が出来なくなってしまいました。

介護タクシーを利用している方も、病院の入り口までしかドライバーに連れて行ってもらえません。

そこから先は自力で受付〜会計・薬取りまでを行わなければなりません。

もし、親戚もいなくてヘルパーを頼もうとしたら、100%の自己負担が待っています。

ただし、グループホーム(認知症の方が生活する少人数の施設)などに入所している方については付き添いが出来ます。

介護付き分譲マンションやグループホームに入るには高額な費用がかかります。
一般庶民にはとうてい入る事は出来ません。
多くは年金や貯蓄の多い方しか入ることは出来ないでしょう。

なので、比較的手の届きやすい特別養護老人ホームには希望者が殺到し、今でも1施設に数百人が待機しています。

悲しい事に、「やっと施設に入れる」という事は、どなたかのケアが終了(死去)されてベットが空いたという事なのです。

元気になって退所するというケースはまれです。



せっかく高い介護保険料、後期高齢者保険料を払っているのに、
このままで生涯安心して介護が受けられるでしょうか。

これから目指す介護制度は、
家族の負担を軽くしつつ、利用者本人の残された貴重な時間についても
きちんと保障してあげられる制度でなくてはいけないと強く感じています。

画像 ( )
2010.11.04:noriyo

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