NORIYOs NOTE

ゴールデンウィークの最終日、津波の被害を受けた多賀城を経由して塩釜に向かった。

どうしても確認しておきたい事があったからだ。

5年以上も前、ヘルパーをメインとしてお仕事していたころ、人工透析をするお客様の送迎でよく介護タクシーに同乗して塩釜・利府方面に通っていた。

ある方は塩釜の港が見えるすぐ目の前。

地元の介護事業所に変更されてからはお会いすることもなかったが、ヘルパーはずっと忘れてはいない。

途中の家屋には、2メートルの水位の跡が続いていた。
震災から2か月たとうというのに、浸水して使えなくなった家具や電化製品がいたるところろに山積みされていた。

何とも言えない悲しみを抱えながら、塩釜の港に着いた。

岸壁に衝突したままの船。津波で流れてきたガレキ。異様に盛り上がった道路。持ち主のわからない潰れた車。

近隣の住宅は崩壊したり、一階部分が使えなくなっていた。
心配していたお客様宅は基礎部分を残し建物が流されて無くなっていた。

呆然として言葉にならない。
他数名のお客様の自宅の無事は確認できた。

どこかに避難してくれていることを願いながら帰路につく。


「がんばろう東北」と掲げながら踏ん張っている店舗の裏で、大きな余震で再建を断念して取り壊しをしている店舗も少なくない。


「何で前向きに歩かなくちゃいけないの?」という問いかけに
「前を向いて歩かんと、後ろ向きでは歩きづらいじゃろ。」
と明るく言って返したがばいばあちゃんの言葉のように、歩きやすい前向きで
今日も1歩進んでいこうと思う。