NORIYOs NOTE

 「今日は何つくろっかなー」

冷蔵庫の中が一段と寂しくなってきたのを見つめながら、しばしの間涼んでいた。

 「そうだ、豚汁にしよう!」
子供を連れて近くのスーパーへ。

高い葉物野菜はスルーして、大根、人参、長ねぎ、きのこ、豆腐などを入れていく。

豆腐をカゴに入れて後ろを振り向くと、おでんのバラ売りコーナーができていた。
「おでんかー、もうそんな時期なんだ…そういえばコンビニで肉まん売ってるもんな〜」
とつぶやきながら通り過ぎようとした。

その時、こども乗せカートに乗っていた娘が、両足でカートにブレーキをかけながら、おでんの具を見てねだりはじめる。
 「おかあさーん、イソギンチャクたべたーい!!」

 「へっ!?」

母は一応おでんの具の中から、あるはずのないイソギンチャクを探す。

 「ほらそこそこ、袋になってて、おもちが入ってるやつだよー!!」

「…餅巾着ね。」
小さい子はたまに突拍子もなく言い間違えるから面白い。

その場は何とか言い聞かせて買わずに帰る。

夕飯には娘の豚汁にだけ家にあったおもちを入れてあげた。