眠れる森
▼水鏡のごとく。。その8
誰に確認しても、もとの状態に戻した人は、全く、誰も居なかった。
そんなことがあったが、
初七日の日が近づいてきた。
お寺に渡す、御布施も金額の相場が 初めての為にわからない。
親戚にも確認したが
意見は、バラバラ。
兄弟は金額の件で悩んでいた。
ある日、和子は、家に立ち寄った。
ふと妙に、ある、引き出しが気になりだした。
引き出しを開けると
そこには、
一冊の大学ノートがあった。
そこには、新築した際に
戴いた金額や娘の結婚式の際に 戴いた金額等が細かく記載してあった。
やはり、几帳面である。
そのまま、ページをめくっていくと、ノートの端が
折り曲がっていた。
それは、お寺に葬式の際に払う金額や 初七日以降に支払う金額。
初七日や 法要の際には
どんな事をすべきなのかがこと細やかに記載なっていた。
この家には仏壇はない。
仏壇はないから、葬式関連等 一度も出したことがない。
つまり、この家には、今まで全く、関係 の無い記載内容ないようである。
父親 が 遺された子供たちの為に 自分の死を
覚悟して、いつの間にやら、書き残して行ったものである、
それが、御布施で悩んでいる絶妙なタイミングで見つかった。
きっと、父さんが、私達に教えているんだ!
和子は、そう、思った。
いよいよ、初七日の日が
やって来た。
普通は、来賓の事を考えて、日曜日毎に行うのが、
最近は多くなっているが
姉の佐知子は ある事を聞いていた。
それは、人は亡くなると
7日毎に 閻魔大王や
その他の 仏様からこの世での行いの審判が降る。
7日詣りとは、遺された
遺族が、何卒 よい審判を御願い致します。と祈願する意味があるという。
だから、亡くなった日から、キチンと一週間毎にやらないと、審判が降ってからの祈願は意味が無いと感じていた。
〜更に続く〜
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2011.05.11:眠れる森
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