人工知能とコミュニケーション力
狭義のコミュニケーションとは単なる「伝達」であるが、 もうちょっと現代風に解釈すればそれは「疎通」となる。 つまりは一方的に自身の知覚・感情・思考が 伝われば良いというものではなく、 相手と通じ合ったり、 共感し合ったりという段階をもって、 その人のコミュニケーション力というものが評価される。 とかくは語彙力であったり表現力という アウトプットの能力がフィーチャーされがちだが、 疎通の段階まで歩を進めるには、 相手の状態を感知したり、心情を想像したりという インプットの能力が不可欠となる。 昔から「読み書き」とはよく言ったもので、 その人のコミュニケーション力を構成するのは まさにこの読み(インプット)と 書き(アウトプット)のバランスだと教わってきた。 何が言いたいかというと、 情報社会が進行し、さらにAI(人工知能)が進化して、 大人が子供たちに対して単に情報の優位性や 社会的な権威にあぐらをかいていられなくなると、 いよいよ人間としてのコミュニケーション力の 真価が問われてくる。 親や先生に相談するよりも、 スマホの画面により最適な答えがある、 なんて日はそう遠くはないかも知れない。 娘の前で人工知能には負けたくないと、 対抗心を燃やしてしまう父です。
2017.02.08