分子の活性化状態と地域の活性化
「分子の活性化状態」とは、化学反応の際に、 反応物の分子が生成物の分子に移り変わる途中で通過する、 エネルギーの高い状態のことを言うそうだ。 人間の営みに置き換えれば、 人と人とが接点を持った時に時折生まれる 「アノ状態」のことを言うのだと思う。 宮崎駿氏は自身の「風の谷のナウシカ」という作品の中で、 人の命を「生まれ、響き合い、消えていく。」 と表現していたが、人生の価値は、 こうした《響き合い》のシーンを幾つ持てるかが 味噌なのだろうナ、とも思う。 時折耳にする「地域の活性化」という言葉は、 とても耳触りが良い反面、 それが経済的な豊かさを意味するのか、 それとも単に人口が多いことを表現しているのか、 人によって受けるイメージはまちまちで、 曖昧な印象を受ける。 ここで、分子の活性化状態を 半ば無理やり引き合いに出せば、 地域内もしくは地域外との響き合いの機会が多く、 それによってもたらされる化学反応によって エネルギーが生じ、変化や成長を促している状態が、 それに近いんではないか?なんていうことを最近は思う。 響き合いの定義もこれまた難しく、 単に集まって酒を飲むだけで生じるとは限らない。 答えは当人の胸の内側にあって、 気持ちのいい和音になるためには、 きっと様々な環境や条件を要するのだろう。
2017.03.26