赤ん坊の豪速球
午前3時。 半ば朦朧としながら、 産まれたての赤ん坊とガチで対峙していると、 時折人間の眠っていた能力が呼び起こされる。 当たり前だが彼らは言葉を話すことが出来ない。 だから自分の感情や要求をノンバーバルな パッションで伝える他ない。 にも関わらず、 我々大人はその要求を割と的確にキャッチする。 (と言っても、腹が減ったとか、 うんこして気持ちが悪いだとか、 何と無く物足りないから抱っこしろだとか、 要求の種類は限られてはいるのだが。) 何が言いたいかというと、 我々は普段言語に頼り過ぎていて、 言葉を獲得する以前にあったはずの 発信と受信の能力をあまり信用していない。 以前海外を放浪したときに感じたことは、 「めっちゃありがとう」とか「まじごめん」とか、 ここ一番で伝えないといけないことは 言語を習得していなくても伝わるということだ。 というか言語が話せない方が 伝わるかも知れないとさえ感じる。 野球投手でいうところのコントロールが、 ニュアンスを正確に伝えることだとすれば、 パッションはスピードとか球威みたいなものだと思う。 赤ん坊が投げる球は、常に大谷翔平ばりの豪速球です。
2017.12.26