ラピュタの当時の企画書が、
今読んだらあまりにもエモ過ぎたので、
思わず転記しました。
封切り当時、僕は小学5年生で、
この作品のゴリゴリのメインターゲットだったことが分かります。
画像はその時のチケットですが、(めっちゃなつい!)
上映場所は当時の市民文化会館で、
このチケットが小学校のホームルームで配布されたのを覚えています。
自分の企画書は、これほどのカロリーと信念を持っているかなーとか、
僕らは今の子供たちに、どういうバトンを渡せるだろうかなーなんて事を、
ついつい真面目に考えてしまいました。
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新企画「少年パズー」(後の天空の城ラピュタ)
「風の谷のナウシカ」が、高年齢層を対象とした作品なら、パズーは、小学生を対象の中心とした映画である。
「風の谷のナウシカ」が、清洌で鮮烈な作品を目指したとすれば、パズーは血わき肉おどる古典的な活劇を目指している。
パズーの目指すものは、若い観客達が、まず心をほぐし楽しみ、よろこぶ映画である。
笑いと涙、真情あふれる素直な心、現在最もクサイとされるもの、しかし実は観客たちが、自分自身で気づいていなくても、もっとも望んでいる、心のふれあい、相手への献身、友情、自分の信ずるものへひたむきに進んでいく少年の理想を、てらわずに、しかも今日の観客に通ずる言葉で語ることである。
現今の多くのアニメーションが、「ドラえもん」をのぞき、劇画を基盤とするならば、パズーはマンガ映画の復活を目指している。
小学校四年(脳細胞の数が大人と同じになる年齢)を対象の中心にすえることで、幼児の観客層を掘り起こし、対象年齢を広くする。
アニメ・ファン数十万は必ず観てくれるので、彼らの嗜好を気にする必要はない。
そして、多くの潜在観客は、心を幼くして開放してくれる映画を望んでいる。
多数の作品が企画されながら、対象年齢が次第に上がっていく傾向は、アニメーションの将来につながらない。
マイナーな趣味の中にアニメーションを分類し、多様化の中で行方不明にしてはいけない。
アニメーションはまずもって子供のものであり、真に子供のためのものは大人の鑑賞に充分たえうるものなのである。
パズーは、本来の源にアニメーションをとりもどす企画である。
(宮崎駿:企画書「少年パズー」より)