山形でクラス被災者日記
▼☆一時帰宅A回目 追加☆
『一時帰宅A回目』
昨日の続き.....
浪江町の自宅の中で、持ち出す物を探しながら、散乱している物を片付けました。
片付けると言うよりは、まとめながら足場を作るような感じですが。。
手に取る物全てに、思い出があり、8ヶ月前を思い返しながらの作業でした。
ちょうど、明日で8ヶ月になるんですね…
寝室は、部屋の中に、二段ベッドと布団を敷いていただけなので、倒れる家具などもなく、この部屋だけは、いつものままの状態で、布団には、末娘が大事にしていたぬいぐるみ達が、何の変わりもなく置いてありました。
そのぬいぐるみ達に、心の中で、
「ごめんね、また、来るから…」
涙が、止まりませんでした。
自分の家なのに…
どうして、こんな事に…
前を向こうと頑張ってた自分が、また、あの日に引き戻される…
一時帰宅する度に、こんな思いをしなければならないのかと思ったら、ツラくて、ツラくて。。。
荷物を車に積み込み、家に鍵をかける瞬間…何とも言えない気持ちでした。
必要な物は、沢山あるのに、今のアパートでは、家族6人生活するので、いっぱいいっぱいで、収納するスペースも狭く、ほとんど、持ち出すのを諦めるしかありませんでした。
4時間は、あっという間でした。
時間があまったら、少し 町の中を見ながら帰ろうとも考えていたのですが、気分が落ちて、その気にもなれず、中継地点にまっすぐ戻る事にしました。
我が家のすぐ近くに、中学校があるのですが、その校庭に牛が4、5頭 群れでいました。
有り得ない光景…
中学校を過ぎて、走っていると、道路の真ん中に、白い犬が立っていました。
普通なら、車をよける筈なのに、その白い犬は、私達の車に向かってきました。
危ないので、スピードを落とすと、すがるような目で、ジッと見てるのです。
そのまま車で通り過ぎると、白い犬は、追いかけてきました。
私達は、食べ物を持っていなかったし、もし、車を止めて白い犬に触れたら、きっと 可哀想で置き去りにできなくなってしまう。
そんな思いから、車を止める事は、出来ませんでした。
「ごめんね、ごめんね…」
何も出来ない自分が、情けなく、ツラくて、あの白い犬の 人恋しそうな、すがるような、あの目を忘れられません。
首輪をしていたので、飼い主さんがいるはず。
置き去りにするしか無かった飼い主さんの気持ちを考えると、たまりません…
今、町の中をさまよっている動物達には、人間の都合など関係ないし、放射能とか分からないのに、何の罪もないのに、これから冬になったら、寒さの中 どうなってしまうんだろう…
もう 頭の中が グチャグチャでした。
あの日から、手付かずのままの我が故郷。。
季節だけが、移り変わり、冬を迎えようとしていました。
ただただ、悲しすぎる一時帰宅になってしまいました。
2011.11.10:nakamurake
[2011.11.11]
ただいま。。 (nakamurake)
[2011.11.11]
お帰りなさい (麦チョコ)
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