馬頭観世音菩薩

岩部山第29番の観音様は第28番・第30番の観音様から離れた場所にあり、第5番と第6番の観音様の間にあります。

北山道から100mほど登った場所で山の麓になります。

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その理由は33の観音様で唯一の馬頭観世音菩薩であることが関係していると見ています。

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旧中川村には米沢街道の宿駅が中山・小岩沢・川樋の3ヶ所に設置され、伝馬がいました。馬は農耕馬として、山からの材木出しとして大切に飼育されていました。

文政十年(1827)の村目録によれば、馬の保有数は

 中山(元中山・釜渡戸含む) 82疋

 小岩沢 29疋

 川 樋 52疋

 新 田  3疋

となっています。

新田村が少ないのは宿駅が置かれていないことと、山を保有していないことが理由です。

(五十匁山は昭和になってから譲り受けました。)

ちなみに牛は中山に2疋いるだけです。

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大切な馬を供養するため、中川地区内に複数の馬頭観世音の石碑が建立されました。

川樋では分かるだけで上と下の2ヶ所にあり、どちらも山から木材出しをした道の近くにあります。上の馬頭観世音(画像の左側)は米沢街道沿いで、近くには馬浸場(うまひしゃば)が残っています。

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第29番の馬頭観世音菩薩もかつて木材出しに使ったであろう緩やかな山道を見下ろす場所にあります。

また、村民に一番身近な観音様であることから、参拝しやすい生活道路の近くに彫られたと考えます。

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参考:南陽市史・ふるさと中川

2020.07.02 13:29:nakagawako:[◇中川地区の歴史]