長井市体育指導委員会

▼運動による効果は脳にも。

日頃運動しない人のために、何故運動が必要なのかを身近な事から探ってみました。
ヒトの記憶って本当に不思議なもので、ちょっとしたきっかけがあると、毛糸玉のようにスルスルと取り留めなく現れてきます。ヒトが何かを覚える時は、「記銘−保持−再生」という機序が働きます。すなわち、@記銘:頭の中にある事柄が刻まれる。A保持:意識するとしないに関わらず、ずっとしまわれている。B再生:必要な時に思い出す。記銘から再生までは数秒のこともあるし、ときには数十年を経ても、あるきっかけで爆発的に周辺の事まで思い出すことがあります。
高齢者に対して行なう医師の治療方法に、回想療法というのがあります。子供だった昔を思い出させると、それまで眠ってばかりの人が当時の事を生き生きと話し始めて、脳の活性化に有用な場合があります。50歳以上になると同窓会の出席率は格段に上がるのだそうですが、暇だからという理由も大きいと思いますが、刺激を求めるというのも見逃せません。平凡な毎日の生活に慣れきっている脳に刺激を与えるというのは、大きな効果があると期待されます。毎日じっとしているのではなく、散歩などや、屋外で運動をして、いろいろ見ることは脳を刺激することになり、活性化につながります。通りすがりの車のナンバー下1桁を足し算していくとか、看板の文字を読んでいくとか、子どもだった頃に遊んだ小道を歩くとか、街の中には脳への刺激が沢山あります。
散歩や運動をすることにより、日頃使わない筋肉や思考力を使うことで、脳が活性化します。体力に自信のない方でも、体の負担にならない、ヨガや太極拳(中国では老若男女がいたるところでやっています)などで、まずは呼吸法からはじめてはいかがでしょう。呼吸法でも、やり方によっては充分な運動になります。
ヨガや太極拳の講座や教室がありますので、是非、覗いて見てはいかがでしょう。

*記銘(きめい)
新しく体験したことをとどめておくことを記銘といい、古いことをとどめておく記憶に対比させて使います。記銘力の障害があると、新しいことを忘れるようになり、著しい場合は、数秒前、あるいは数分前の記憶も残らないということがあります。

*機序(きじょ)
作用するメカニズム、機構、仕組みのことをいいます。

2009.01.20:nagaitaishi

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