TUAD blog/美術館大学構想
▼佐藤妙子展「Life - traveling」
「展評」といっても、まだ見ていない展覧会なのですがご紹介を。
本学卒業生の佐藤妙子さんの個展が、東京都小平市は武蔵野美術大学の近く、のんびりとした東京郊外にある画廊『松明堂ギャラリー』で開催されます。
***
新作家たち2006『佐藤妙子展「Life - traveling」』
会場:松明堂ギャラリー
〒187-0024 東京都小平市たかの台44-9 松明堂書店地下
PHONE.042(341)1455 FAX.042(341)9634
会期:2006年2月17日(金)〜2月26日(日)11:00〜19:00開廊時間
アクセス:西武国分寺線「鷹の台」駅前(JR中央線「国分寺」または西武新宿線「東村山」乗り換)
***
松明堂さんは、ムサビ生だけでなく、津田塾大や白梅短大など、多くの学生が利用する「鷹の台駅」の眼の前にある、一見して庶民的な書店です。
しかし、松本清張の息子さんが経営されているということもあり、書架をよく見ると渋いセレクションの文学書、哲学書、美術書が並び、地下には黒大理石を敷き詰めた無骨なギャラリースペースを有しています。
書店の運営するスペースだけあって、望月通陽さんや司修さんなど、挿絵や装幀を手がける人気作家を中心に紹介しています。
また、長倉洋海さんや関野吉晴さんなどドキュメンタリー写真の方が、出版記念展を開催したり、また、暗黒舞踏の公演、民族楽器によるコンサートをおこなうなど、地域の文化活動の拠点となっているんですね。
松明堂ギャラリーがもしなかったら小平市の芸術文化レベルは低いものだったでしょう。
僕も学生の頃から随分通って、コンクリートの壁面に展示されている、工芸的で、少しばかりアングラな香りのする作品に、かなり影響を受けています。
2000年には「模型世界」と題した僕自身の個展も、開催させてもらいました。
十年来のご縁があって、今回の佐藤妙子さんによる版画展は、松明堂ギャラリー若手支援企画展「新作家たち」シリーズに、僕が紹介する形で実現しました。
佐藤さんの作品は、芸工大本館2階北側に常設展示されています(コレクションINDEXにもデータ有)その黒々とした描画のずば抜けた密度は、きっとあの独特の地下空間で際立つことでしょう。
東京駅からオレンジ色の中央線に揺られ、約1時間。
皆さん、東京に行かれる際は、ぜひ覗いてください。
ちなみに松明堂から線路伝いに20メートルほど歩いたところにある古びたカフェ「シントン」も僕ら美大生の溜まり場でした。
竹中直人の映画のロケ地になったりして、これまた渋いスポットです。
茶色い壁紙に染み付いている三角の跡は、僕が学生時代に大きな銅板を貼付ける展示をして、つけてしまったものです。
「街が人を育てる」というフレーズがありますが、学外にこんな文化スポットがあると、地域社会が成熟していきますね。
芸術を介することの魅力は、いろいろな世代が集まれること。
そして「松明堂」の本も、「シントン」コーヒーも、若者も老人もしみじみ楽しめるものです。
芸工大の周辺にも、そんな場所ができないかな。
画像 (小 中 大)
2006.02.10:miyamoto
⇒HOME
museum
powered by samidare