つれづれなるままに

▼10月4日(日)     どっちが本当か

前原誠司国土交通大臣が、民主党のマニュフェスト通りに八ツ場ダムの建設中止を宣言して賛成や反対の大合唱です。

「八ツ場ダムは必要か」という記事が新聞に出ていたので興味深く読みました。



今まで通りに建設をしろという意見はもちろん建設関係者や地元自治体に多いわけですが、

地元町長の賛成意見はなぜ賛成かという面では論理的というよりは、


今更なんだという論調です。


感情的な”住民が今まで村を2分してまで賛成したのに”とか、

先祖の墓を掘り起こしてまで町外に引越しした住民は何のために出て行ったのか、

という感情的な継続の意見です。




それに大して中止派の”八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会代表の嶋津氏”の
意見はとても論理的で分かりやすい。



・治水・利水面で必要性がなくなっている。

 利根川などで水源開発が進み、東京都だけでも1日200万トンの水が余っている。

 首都圏での水需要が減ってきてるし、これからますます人口も減っていくので八ツ場ダムが必要であるはずがない。



・治水効果も疑問だ。

 利根川の治水計画の基本は1947年の台風の洪水だが、

 同じ降水パターンの台風が再来した場合、八ツ場ダムの治水効果がゼロであるこ
とを国土交通省の計算で明らかになっている。



・本体工事を中止したほうが国の支出が増えるという国や自治体の主張は誤っている。

 事業を継続したとしても現在の事業費4600億円で足りるはずがなく、

追加が必ず必要になる。

 足りなくなる理由は、地すべり対策。


ダムの周囲で22ヶ所地すべり対策の可能性が国交省の調査で指摘されてるが、

対策がほどこされるのは3ヶ所だけ、水をためれば地すべりは確実に起き、

その対策にはかなりの費用がかかる。


さらにダムへの貯水で東京電力の水力発電所の送水量が大幅に減るため、「減電補償」を求められなど、事業費の増額は1000億円に上ると予想される。


残事業費1390億円とあわせ計2390億円が必要となる。



これに対して本体工事を止めた場合は、

必要な道路など生活関連の事業費は770億円。

自治体は国に対して1460億円の返還を求めるとするが、

うち570億円はもともと国が補助した分なので返す必要場ない。

残る890億円を返済しても生活再建とあわせ1660億円で十分。



”ダムは7割出来ている”といわれるが事業予算の7割を消化しただけで、

工事そのものは大幅に遅れている。

付け替え道路が2〜6%、代替地の造成も10%にとどまっている。

完成は予定した2015年よりだいぶ先になるはずだ。



治水にダムが役立つというのは幻想。

ダムの上流に雨が降ればいいが、

他の場所に振れば治水の効果はなく、ギャンブル的な対策だ。


治水対策の王道である河川改修に力を注ぐべきだ。



民主党政権が140余りのダムを見直すのは当然だ。





ここまで来ると、

巨額の国家予算を使って何のためにダムが作られてきたのかと思いますね。

その巨額のダム工事を施工するゼネコンや口利きをする政治家がそれを利用してきたのは間違いない。

でも民主党の小沢一郎氏もその”ダム工事の口利き”で政治献金を確保して来たのですからね。

民主党の政治家が利権で美味しいところを得ることが出来なかったということで、

権力の座についたらどうなのかきっちり見ていく必要がありますね。


それにしてもこの嶋津氏の”八ツ場ダムは必要ない”という話は説得力がありますね。
前原大臣は、このような意見をきちんと国民に伝える必要があるのではないかと思われますね。


なんかいきなり反対を切り出したという強引さだけが、
マスコミで強調されてますから。


まぁこの話だと”ダムは必要ない”という結論になりますね。
2009.10.04:mukai

HOME

(C)

powered by samidare