切り捨てる勇気

たまたま耳にした相田みつを さんの詩。

___________________

「ある日のつぶやき~切り捨てる~」

 わたしは長い歳月
 上に登ることばかり考えてきて
 土の中深く根を張ることを
 忘れていたようです

 ヒョロヒョロと
 幹ばかり高くのびて
 雑然と枝葉が広がるようになった時
 幹や枝葉の重さに耐えられない根の弱さに
 わたしは初めて気がついたのです

 気がついた時には手遅れでした
 手遅れとわかったとき
 わたしは思いきって枝葉を落とすことにしました
 土の中のわたしの弱い根と細い幹に支えられるだけのわずかな枝を残して
 あとは ばっさりと切り捨てました

 それは
 根の弱い 幹の細い 力のない者が
 なんとか自分を守りながら
 生きて行くための消極的な
 しかもそれなりに勇気のいる生活の智慧でした

 とはいうものの
 枝葉を落とす時 わたしは
 やっぱり寂しい気がしました
 もったいないなあと思いました

 しかし おかげさまで いまでは
 眼に見えない土の中で
 弱かった根が新たな活動を始めたようです
 小枝を切り落とした分だけ
 いや それ以上かも
 だれにもわからない根だけが知る
 静かな充実感を持ちながら

___________________

 


胸に深く響いて
今までの生き方を思い直さずにいられなくなるような
それでいて静かに力強く励まされいるような
そんな詩だと感じました

色んなものを持ちすぎてつらくなってはいないだろうか?
それにとらわれて、心奪われて、振り回されてはいないだろうか?

あふれた物を切り捨てる
ふくらみ過ぎてしまった欲を切り捨てる
いらぬ感情を切り捨てる

今のままでは
いつもなにかどこか満たされなくて苦しいのかもしれない

過ぎ去ってしまった昨日を悔やむでもなく
まだ来てもいない明日を思い煩うことなく
今を
与えられたこの環境を
感謝して生きる

そういうシンプルライフを歩みたい
そして「静かな充足感」をわかりたい、味わいたいと思っています
それにはまず切り捨てる勇気を持つ!
枝葉を切り落とす寂しさに負けないように・・・

2013.10.02:aiko:[◎心にしみたコトバ・本]

この記事へのコメントはこちら

※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。