目加田経営事務所
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【将来への決断】
ねじれ国会で何も決まらない国になってもう5年になります。2007年7月以来、ずっと、ねじれ状態で、2009年に政権が代わっても改善されていません。その間、経済は悪化の一途をたどり、デフレ状態は改善できていません。そこに、リーマンショックが起き、3.11が発生したのです。環境や基本条件がまったく変化したにもかかわらず、何も決まらないし、何も変わらない状態になっています。
3.11の福島原発事故から、今後の電力供給をどうするか議論が絶えません。野田首相は身命を賭して消費税をあげることを宣言しており、TPPについても同様に推進する方向を明示しておられます。防衛や外交についてはあまり明確ではありませんが、北朝鮮のミサイル発射問題は防衛問題の進展に拍車がかかると思います。
今までは他人事のように能天気にふるまっていた人も、これからは、一人一人がしっかりとした考えを持って決断しなければならない時期に来ていると思います。
考えて、考えて、考え抜く。数字で考え、数字で判断し、数字で行動する。これはある顧問先の行動指針のひとつです。まさに、私たちの生活と次代の子供たちの未来について決断しなければならないのです。
大きな視点で見れば、原発は将来においても依存せざるを得ないので、構成比は下がるでしょうが、ゼロにはならないでしょう。問題は、再稼働時期をいつにするかの問題になると、一時的にせよ、計画停電を実施しなければならなくなるかもしれません。しかし、たとえ、それによる経済ロスよりも、あまりに性急過ぎる再稼動決断で感情的な反発による思考停止よりはましだと思います。もっとも関心のある安心・安全の担保が先で、その間に必要な議論を進めて、納得づくの再稼動をすべきだと考えます。
技術は一度失ってしまうとそれを取り戻すのに膨大な時間と莫大な費用がかかります。原子力の技術も同じで、世界最高峰ともいえる技術を風化させてしまう可能性のある原発ゼロは日本の将来にとって大きなマイナスになることは間違いありません。
同時に、原発依存ありきではなく、あらゆる自然エネルギーを利用して発電する挑戦はしなければならないでしょう。夜間電力を使用した揚水発電やメタンハイドレートのような莫大な埋蔵量を誇る資源を使用した火力発電、典型的な火山列島である特色を生かした地熱発電、海に囲まれている環境を生かした波力発電や、風力発電、車や人の移動によって発生する振動発電等、利用できるエネルギーはまだまだありそうです。太陽光発電も可能性がありそうです。
消費税については増税せざるを得ないと思っています。タイミング論の議論は大いに傾聴すべきですが、タイミングなんて「今から思えば、あの時にああしておけばよかった」という風に過去のことしか判断できません。したがって、いつ実施しても結果は変わらないでしょう。
世界最高速で少子高齢化進む日本においては、他国の事例は参考になりません。企業収益はいつの時代も70%以上が赤字ですから、法人税は30%の企業収益でまかなっていることになります。所得税は労働生産人口が減少するわけですから、減少することはあっても増加することは期待できません。ならば、公平にすべての人から緒周できる消費税が最も有力は税金であることは明らかです。もちろん、無駄な支出を抑えることはもちろんですが、この峻別はそう簡単ではありません。根本的に考え方を変えなければ難しいでしょう。従来公的なサービスと考えられてきた警察機能や行政機能、教育機能を民間に委託するぐらいのことをしなければ、誰もが満足しない経費削減にしかならないでしょう。
2012.06.15:
目加田博史
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