目加田経営事務所
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【目標は予定でなく結果だ】
ビジョンや目標についての考え方は様々ですが、前職では「目標は予定ではなく結果だ。単なる目安にすぎないなら、目標設定する意味がない」と鍛えられました。
加えて、「挑戦するに値する目標を設定せよ。それには、達成できる妥当性と向上目標が加味されねばならない」。挑戦するに値する目標の目安は昨年実績の120%以上。毎年120%の目標を設定し、毎年達成すると、5年で2倍、7年で3倍、10年で5倍になることが分かります。なぜ120%かと言えば、容易には達成できないが、不可能ではないという線だと教えられました。なかなか「きつい」考え方です、心身ともに。このころは能力不足を体力でカバーするしかなかったので、睡眠時間は3時間、年間休日は4日でした。
さらに、沖縄では、皆が等しく持っている万能機械「潜在能力」の活用法を学び、「思い」や「志」を付加する事が、自分を成長させる上で極めて重要だと気づきました。それ以来、VW方式(フォルクスワーゲン方式と呼んでいます)を提唱しています。目標をスケールアップするのです。
VWというのは指でVサインをすると指が2本立ち、Wサインをすると指が3本立ちます。つまり、目標は実績のV(2倍)、W(3倍)を設定しようという意味です。
「それは無茶だ。現実的ではない」と皆さん言われます。私はそうは思いません。現実的な実績の5%アップを目標にして達成できるでしょうか。却って、悪い結果になった経験を嫌というほどしてきました。なぜだと思いますか? 目標が現実的であればある程、従来の路線を踏襲し、やり方を変えません。思い切った冒険や新しい事に挑戦しないのです。昨年よりもお客様を訪問して、提案して、見積を出して、新規開拓に励んで、新製品のキャンペーンに努力する計画になります。ならば、昨年は、めいっぱい努力しなかったのかと言えば、そんなことは無いですよね。しかし、計画では昨年以上に「既存深耕・新規開拓・商品開発」する方向で満足します。積み上げ式ですから、予定していた案件がだめになるとそれを取り返すのに精いっぱいで、結果的に昨年並みか昨年割れで終わるのです。、「がんばります」一言張りの根性論と一緒ですね。だから、苦戦こそすれ大きく飛躍する事は無いのです。
しかし、目標が2倍、3倍ならどうしますか。従来路線や根性論では無理だというのは、瞬間的にわかりますよね。上手くいくか行かないかは分からないけれども、2倍、3倍やるためには何をすればよいかを考えて、具体的に計画し、チャンレンジしてゆくでしょう。いままでの実績の80%程度はベースと考えて間違いないですから、ベースを除いた分がチャレンジ目標です。目標を達成しようとすると発想に「遊び」が必要になってきます。良い意味での開き直りです。結果の約束はできないが、とにかくやってみよう。上手くいかなければまた考えようという気になります。そうすると、いままでやっていないことにチャレンジするので、結果的に昨年実績の150%とか、200%というような実績が生まれるのです。上場企業は株主への正しい経営情報を提供しなければ違法になりますからこの芸当はできませんが、非上場の中小企業は全く自由です。
目標管理の時は必達目標と努力目標(ブルー目標とも呼びます)を分けてもかまいませんし、最初からVW目標でやってもかまいません。
不思議ですね。緻密に根拠を積み上げて、立てた計画は達成が難しく、発想だけで根拠もないのに2倍、3倍の大ぼらを吹いた方が、大幅な飛躍をするなんて。
先が不透明で読めない、縮小志向のデフレ時代は、「遊び」発想が必要ではないでしょうか。現実のエビデンスの積み上げ方式だけでは近視眼的になり、お客様の言動に一喜一憂して挙句の果てに土壇場で失注して身動きが取れなくなります。同じやるなら実現したい大ぼらを吹いて、称賛される大見えを切った方が楽しいし、楽しいから難題にも挑戦しようとするし、挑戦するから結果が出るので、またまた楽しくなると思いますが、いかがですか。
2012.03.15:
目加田博史
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