目加田経営事務所
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【一人ひとりが稼ぎ人】
3.11以降、「自助」「共助」「公助」という言葉をよく聞きます。自助とは読んで字のごとく、自分のことは自分で守る、それができない場合は近隣の人と助け合い、それも及ばないような場合は公的な扶助で助ける事を言います。これはそれぞれの立場で最善を尽くすという暗黙の信頼関係が存在していることを前提にしています。
基本は自助です。
この考えは防災に対する時だけでなく、ビジネスに置いても言えることだと思います。
古い考えかも知れませんが、人はだれでも、自分の生計が成り立って初めて一人前だと思っております。生計が成り立つというのは収支の帳尻を合わせることです。
収入に合わせた生活をする知恵です。母は「上見て働き、下見て暮せ」と口癖のように言っていました。それができることを一人前といいます。だから、親からも独立できますし、結婚して家庭を持ってもやって行けるでしょう。不遇なことを言い訳にしない、ポジティブな生き方が自助です。
ある営業所のベテラン所長が営業会議で、業績不振の原因を問われ、「長雨のせいでモノが売れないから」だと平然と言ったことがありました。だから、私のせいではないというのです。社長は激怒して、「分かった。長雨のせいで君の給料は天気になるまで半分にしよう」と言い放った事がありました。自分で自分の営業所を守る自助活動すらなく、所員全員が力を合わせての互助がなく、仲間の知恵を借りる共助もなく、いきなり会社に寄りかかる公助を当然と思っていたのです。
天候の影響を受ける商品を扱っている会社で、長雨が続くと、商品が売れないことはベテラン所長でなくてもわかります。ならばどのような手を打たねばならないか、日頃から考えておかねばなりません。それでなくても円高や災害、事故等環境が激変することはよくあることです。
基本は自助。一人一人が稼ぎ人となって、独立した生計を立てるために必死になって行動しなければなりません。その姿を見ているから、いざという時には助け船を出してくれたり、アドバイスをくれたりする共助が生まれます。どんなに苦しくても、環境や他人のせいにせず、歯を食いしばって刻苦勉励している人を見ると、周囲がほっておきません。このような状態が公助と言えると思います。
目加田 博史
2012.03.15:
目加田博史
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