目加田経営事務所

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あと2週間で2011年が終わります。2008年9月、100年以上の続いた金融業の老舗、リーマン・ブラザーズがサブプライム問題に端を発したアメリカの金融不安から破たんし、そのショックは世界経済に大きな爪痕を残しました。数カ月後にはその余波が日本経済にも波及し、製造業関連では操業度が25%以下という企業が続出しました。
2009年は経済のどん底で年が明け、9月には55年間続いた自民党政権が崩壊し、民主党政権が誕生しました。
2010年は民主党政権が本格稼働した年ですが、政変に伴う混乱で1年が過ぎた感じがします。記憶に残るような出来事は中国漁船船長を釈放した事ぐらいでしょうか。
2011年は3.11東日本大震災で日本が変わりました。GDPで言えば25%の富が地震と津波で焼失したことになります。その後の、福島原発事故はいまだに出口が見えない状況が続いています。9ヶ月たった現在でも復興の道筋や財源確保は道半ばの状態です。因果律を無視したような増税論議が始まっています。

それでも企業は生き残らねばなりませんし、勝たねばなりません。存続しなければ企業ではなくなってしまいます。できることなら年々太くしながら存続しなければならない宿命を生まれながらに背負っているのが企業と言えます。企業の「企」は人を止めると書きます。企業は人を止める業という意味ですので、人の力をどこまで引き出せるかが、存続のキーファクターになります。
新しい年を迎えるにあたって、わが社の勝ち場所はどこか、ぶれない政策が必要です。

当面は「入るを計って出るを制す」姿勢を堅持しなければならないでしょうが、必要な投資は積極化しなければなりません。ではどこに投資するか、どれぐらい投資するか。いつまでに投資するか、責任者は誰にするか。
それを決めるためには、一体わが社は、どこに行くのか。何をしようとしているのか。ビジョンを明確にし、理念を文章化しなければなりません。
既にビジョンがある場合は、オーバーホールしてローリングチェックする必要があります。この時に犯しやすい愚は、毎年、3カ年先、5カ年先の計画をつくってしまうことです。既にあるビジョンの期限はそのままで、中身を精査する事が大事で、精査した結果、アクションプログラムをどのように変更するかがオーバーホールであり、ローリングチェックです。行き先は変えてはいけないのです。行き方は変えるべきなのです。松尾芭蕉の言葉でいえば「不易流行」ということになります。

これから2週間、年が明けるまでに、企業も個人もそれぞれの立場で、1T3M(Technology、Market、Money、Management)分析、ヒト・モノ・カネ・システム分析、SWOT分析、経営分析を行い、ビジョンの整合性をチェックし、進むべき道を整理する必要があります。
2012.01.31:目加田博史:count(16,034):[メモ/レポート]
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