目加田経営事務所

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国論を二分しているともいえるTPP参加の是非がマスコミで取り上げられ、賛成派も反対派もそれぞれに言い分があり、なるほどと思う意見もたくさんあります。
TPPによって被害をこうむる可能性が高い関係者のお叱りを承知の上で、私の意見は、「除外条件を明確にして、一日も早くTPP参加表明すべき」だと考えています。強い要請を受けていても、条件を明確化すれば、カナダのように断られるかもしれません。これはやってみないとわからないでしょう。入りたくても入れない国もあれば、入りたくなくても入らざるを得ない国も出てくると思います。国際間の交渉事は、TPPに限らず、多国間交渉はWTO、GATT、COP(地球温暖化防止)、EPA等さまざまあり、二国間ではFTAも有効です。大事なことは、自国の考え、主張を明確にして、交渉に臨む事だと思います。交渉の席に着かないことを決断するのは成熟した先進国である日本の取るべき態度とも思えません。

WTOでいえば、中国が悲願の参加実現を果たしたのは10年ほど前のことです。1986年に申請して発行したのは2001年ですから実に15年かかっています。加盟後の中国はしたたかに国益を最優先した交渉を展開していますが、15年の遅れを取り戻すためには、さまざまな分野で国際標準に合わせた改革・開放を推進しなければならず、国内政治の不整合や不安要素にもつながっています。

TPP自体は2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの貿易上影響の少ない4カ国が関税100%撤廃を目指して組織していたのを、アメリカ、ペルー、オーストラリア、マレーシア、ベトナムが参加表明して、今ではアメリカ主導で進んでいる交渉です。アメリカにすれば、すごい利用価値のあるアイデアを4国が出してくれたと大喜びしたことでしょう。農産物輸入の世界有数の巨大市場である日本をTPPに参加させられれば、一気に貿易額を増大できるし、建設・医療・金融等の規制撤廃を実現できれば、またまた大儲けができると踏んでいると思います。

一方、成長するアジア市場に輸出したくても、今の円高と高い関税が続く限り、日本の中小企業には不利です。ものづくりでは世界NO.1の技術と人材と品質保証システムを持っている日本企業が国内需要だけではやっていけないのはTPPとは関係なく進行している事実といえます。海外進出するにしても各国のさまざまな規制に阻まれ、相当のリスクを抱えながら進出して苦労しているのが現状です。

構造不況業種ともいえる農業、建設、医療等は国内需要をもとに考えるからそうなるだけで、海外にはものすごい成長を継続している国や地域がたくさんあります。
そこに進出すれば、構造不況どころか、構造好況業種に大転換できます。グローバル化の是非はともかく、情報化時代にある世界において、江戸時代のような鎖国化戦略が国民を豊かにできるとは到底思えません。東西問題や南北問題はまだ残っていますが30年前のそれとは全く異質ともいえるほど変化しています。

今夏、ベトナムを訪問した際、韓国企業の躍進が著しく、日本企業の看板をほとんど見なかったのは、ベトナムと韓国のFTA協定によるところが大きいと聞きました。日本もベトナムとはFTAを結んでいるのですが、自由化率が低いためあまり効果は無いようです。

TPP参加による被害者意識を持つよりは、稼ぐ農業、稼ぐ建設、稼ぐ医療、稼ぐ金融にむけて舵を切った方が、リスクは少ないでしょうし、絶好のチャンス到来と受け止めて、変革を促進する方が未来を明るくできると思います。日本の閉塞感は人口が減少し、少子高齢化が進み、経済衰退で税収不足、膨大な借金の返済、そこからくる老後不安、こども不安を抱えていて出口がないことです。現状維持する事はたやすいでしょうが、未来に責任を持つためには行動しなければならないと思います。
2011.11.10:stepup:count(500):[メモ/レポート]
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