目加田経営事務所

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だれでも、苦境に陥り、どうしようもない時があります。最大の顧客から取引中止を通告されたり、原価割れの商品のさらなる値引きを要求されたり、月商以上の不渡りが発生したり、社員の巨額の横領が発覚したり、枚挙にいとまがありません。ソニーやソフトバンク、ジャパネットたかたなどで発生した顧客名簿の大規模流出などもこれに入るでしょう。リーマンショック直後は異常な減産により取引高が通常の1/3になった企業のたくさんあります。大口受注をきっかけに導入した大型設備が1年もしない内に得意先都合で生産移転により受注が激減すると目もあてられません。

いずれの場合も、業績は急速に悪化し、取引先が離れてゆき、社員が動揺します。頼みの綱の金融機関は一気に態度を硬化させてきます。悪い時には悪いことが立て続けに発生します。疫病神が団体でやってくるのです。自ら起こした事故ならまだ納得もできましょうが、相手先都合で発生した不具合のつけを回されるのは、不満の持って行きどころがありませんので、ストレスは尋常ではありません。理不尽で不条理な出来事にはなおさらです。そばで見ていてもどう声をかけて良いのか、どう励ませばよいのかわからず、ただ手を握っているしかない場合があります。

「窮すれば変ず、変ずれば通ず、通ずれば久し」(易経より)という言葉をご存じでしょう。一般的には「窮すれば通ず」と短縮されて使われているように思いますが、本来は、「窮すれば変ず」が第一ステップで、変ずるから「変ずれば通ず」となります。そうすると「通づれば久し」となり、安泰となるわけです。起きている事象がどうであれ、全て自分にとって必要な出来事、神の思慮ととらえて、原因自分論の発想で乗り越えてゆかねばなりません。

乗り越える方法は様々で、事業領域を変えなさいというメッセージかもしれませんし、経営管理の甘さを指摘されているのかもしれません。新たなテクノロジーの開発を示唆されているのかもしれません。なりふり構わず、前を向いて必死になって行動してゆくことが必要です。巨大な渦の中にいる人は視野が狭くなりパニックを起こしがちですが、そばで冷静に理性的に判断できる人がいてくれると思うだけで落ち着くものです。特に私たち経営コンサルタントの仕事は、八方ふさがりの苦境に陥っている経営者の方々との出会いが中心ですので、経営者の苦衷を受け入れた上で、次のステップを一緒に模索する事です。その時に必要なことは「変ず」るきっかけと背中を押すことです。変ずる事は決断が要るからです。しかし、「窮している」時は必至ですから、やり遂げられるのです。だから、苦境に陥った企業で乗り越えた企業はどこも優良企業になっています。「あとから振り替えると、あのときのあの苦境があったからわが社はここまで成長できた」と感慨深く語られる経営者が多いのはその証ともいえましょう。
2011.10.21:目加田博史:count(331):[メモ/レポート]
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