目加田経営事務所

▼【商工会に学ぶ会員サービスの極意】

ご縁があって、商工会連合会の改革プロジェクトチームのメンバーをさせていただいています。商工会は商工会法に基づいて設置されている組織ですが、本来は民間の任意団体だったものを法律を作って役割を明確にした経緯があります。当然、法制度を整えたということは行政の補助金の対象になることであり、役人の天下りや出向もありえます。
しかし、そこで働いている職員は民間企業と同じ身分になるそうです。商工会は会員サービスを充実させることが目的なので、会員、特に小規模事業者へのサービスに特に力を入れています。当然、創業時は小規模事業主でも事業が順調に行けば、中小企業の仲間入りをしますから、会員の中には小規模零細企業から中小企業まで規模も様々、業種も様々です。しかも、サービス範囲は、丸経に代表される金融支援だけでなく、会計記帳の指導、創業支援、販売支援、農商工連携支援や経営革新認証支援、地域振興支援、人材育成支援とサービス範囲は多岐にわたっています。
その中で、特に力を入れているのが、会員巡回と窓口対応です。会員巡回は全会員を月一回巡回して相談に乗るのがメインです。訪問するだけでなく、窓口に来ていただく場合は窓口対応と呼びますが、巡回回数に入れる地域によって異なるようですが、会員との接触をもっとも力を入れています。
巡回は経営指導員一人当たりの平均は300件/年程度だそうですが、ある地方の商工会で女性の経営指導員で年間巡回目標2000件を目指して活動している方に出会いました。達成率は80%程度ですが、年々改善しているとのことで、すごいと思いました。月平均すると、133件、20日稼働とすると1日当たり約7件です。当然、顧客カルテに詳しい情報を記入するので、時間はいくらあってもたらないようですが、いつも会員から訪問を首を長くして待ってもらっているとのことです。
小規模事業者にとっては商工会は最後の砦で、何でも相談できる体制を敷いているとのことです。
毎日7件をコンスタントに会員を巡回訪問するだけでもすごい事なのに、経営相談に乗って、解決してゆくのですから驚きます。
もちろん全国ネットワークの公的機関ですし、専門家はたくさんいるのですが、基本的には県連合会で独立しているので、県内で解決する仕組みを作っています。
一方、「産業祭り」等の祭りやイベントもたくさん抱えており、これらの事業をこなしながら、足で稼ぐ活動をコンスタントに行っているのは尊敬に値します。
2012.01.31:目加田博史

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