目加田経営事務所

▼【全社員を事業家にする計画】−2011.8.24

今回は多少暴論になるかもしれませんが、今の正直な気持ちをお伝えしようと思います。私たちは一貫して、より豊かになるために、少ない働きで多くの恩恵を得ようとしすぎたのではないかと反省しています。
高度成長を成し遂げ、グローバル化する世界で経済大国になった日本人はあまりにも働かなくなってきたと思います。1905年の明治大正国勢総覧統計によりますと日本人の年間労働時間は約3200時間前後だったそうです。それが戦後労働基準法が制定され、週48時間制が導入されると2300時間になりました。
そして97年に週40時間制になってからは1900時間になりました。その間、給与は右肩上がりに上がっています。昭和23年の都市勤労世帯の平均月収は1万円でしたが、総務省の家計調査によりますと2000年には50万円に上がっています。2010年には下ったとはいえ47万円です。さらに、年間休日が約130日もあるのですから、実際に働いているのは235日しかありません。その間インフレが続いていたわけですから、数字だけでは判断できないのですが、実感として明らかに労働時間が減少しています。
このような働き方で、はたして日本が立ち直れるのかと言えば、とても無理な話だと思います。

そこで、提案です。年俸制の採用とタイムカードの廃止です。働くのは週休5日として、後1日は労働時間とみなさない自主的な研修時間に充てるのです。
自主研修に参加した人にはポイントを付与して、ある一定ポイントになれば特定の商品と交換します。例えば、IpadやノートPC、商品券、旅行とかです。昇給や賞与の人事考課にはポイントを加点して評価するのです。法律で求めている休日は週1日だけですので、祝日を休むかどうかは各企業が自主的に判断すればよいことです。
祝日は通常出勤としても、週40時間はクリアできます。これらの働きで増えた利益の50%は成果配分として社員に還元し、25%は内部留保し、残りは投資に回すのです。

働き方はそれぞれの社員の価値観を反映していますから、強制はできませんが、共鳴してくれる社員の方々と取り組んでゆけば良いと思います。パート、アルバイト、嘱託社員、契約社員等どのような雇用形態でもかまわないのです。
一生懸命働いて、一所懸命に勉強して自己成長を望んでいる社員とともに未来をつくってゆくのです。外国語の研修も盛り込み、1年後には社内の公用語を英語と中国語にするのも一つの手です。勉強した結果としての出口をきちんと示し、その努力に報いてゆくのです。
働かない、気働きのない、自己中心的な社員に育てるか、世界で通用する一流の社員に育てるか、今、日本はその岐路に立っていると思います。世界一短い労働時間を使って、ありきたりの努力しかせずに、世界最高の生活待遇を手に入れるという考え方自体が通用しないということを肌感覚でわかるような人材育成が必要だと思います。長い目で見ればどちらが日本のためになるか、人材育成こそ、国の成長の基本です。世界に通用するヒトを育てることが今求められていると思います。

休日は年4日、始発-終電通勤で労働時間は年間4600時間、もちろん、残業手当は請求する習慣がないということでありませんでした。これが私の前職での働き方です。しかし、仕事はめっちゃめっちゃに楽しくて面白くて最高でした。待遇も年収ベースで100万円単位で上昇しました。
もちろん、やめてゆく人も多くて、入社時300番目だった私は、5年後には上から30番目ぐらいになっていたと思います。あのころの経験があるので、どんな苦境が来ても乗り越える自信がります。あの時ほど勉強した時期は後にも先にもありません。
このような経験を20代後半から30代後半の10年間程度、企業の中で積ませる仕組みをつくらないと世界に伍してゆけないと思っています。

2011.10.05:目加田博史

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