目加田経営事務所

▼【自然の摂理】-2011.8.3

いきなり大きなタイトルになりますが、クライアント企業の支援を通じて、最近つくづく、感じることがあります。それは何かと言いますと、私たちの日常生活が自然から遠ざかった弊害が目立っていることです。
スローライフ、ロハススタイル、帰農主義、オーガニック、エコという価値観がものすごい勢いで普及していますが、まだ、大半は高度経済成長路線の貯金で生活しています。

経済が成長し、社会が豊かになっているときは、活気があり、自信もあり、それなりに問題なく回ってゆきますが、社会が停滞したり自信をなくす事態に直面すると、自然への畏敬の念が不足していることを思い知らされます。そこで、思い上がりに気づき、原点にもどり、謙虚さを取り戻すことができるのでしょう。

私たちの祖先は100万年もの長い間、森で生まれ、森で育ち、森と共生してきました。自然と同じサイクルで、生活し、狩猟をし、農業をし、漁業をしてきました。日の出とともに目覚め、太陽の動きに合わせて活動し、日没とともに休息を取り、明日への鋭気を養うことが自然の摂理でした。
生は死の始まりであり、死は来生の始まりでもありました。それが、次第に、文明が進み、社会が高度化し、1850年の産業革命以降、モノづくりの生産性は飛躍的に高まり、1995年のインターネットの民間開放により、情報量と事務生産性が劇的に向上しました。
自然や天に対して尊大になり自然の摂理を無視してもそれなりに業績を上げ、豊かになることができました。
名刺交換するよりもメールでやり取りする機会が増え、訪問するよりもホームページや情報会社の情報で事足りるようになり、
物理的な人の移動や交流はWEBサイトに移行してしまいました。これにより、私たちは、相手の表情を見ながら対面するよりも、チャットやメールで交流する事が増えました。動かなくても情報が手に入るようになり、動かなくても生活できるようになったのです。森で生まれた私たちの祖先からすれば、あまりにも異常な姿に映ることでしょう。

しかし、21世紀に入り、振り子は大きく反対の向きに振れ出しました。1989.11.9ベルリンの壁崩壊、2001.9.11世界同時テロ、2008.9.16リーマンショック、2009.9.16政権交代、2011.3.11東日本大震災と社会が変化しています。中東では2011年2月のエジプトを皮切りに多くの国で政変が発生し、ギリシャ・スペインはアイスランドの再来かのように破たん懸念がくすぶっています。地面が割れるような不気味な不安感や不信感におおわれています。
お客様の財布のひもは限りなく固く、何をやっても上手くいく予感がしないようになりました。まだ、価値観転換に乗り切れていないのです。振り子が触れる前と後の両方で対応しないといけないのでヘトヘトに疲れ切ってしまいます。振り子は着実に動き出しています。次第に加速度もついてきますし、はずみ車のように一旦動き出すとスピードパワーともにものすごい勢いがでてきます。新しいやり方に変えねばならないのです。

私たちは森に帰らねばならないのです。森の生活に戻ることです。自然のサイクルを日常生活に取り入れることが大事です。ありあまる料理を食い散らかすことはもう許されません。限られた料理を丁寧によく噛んで消化しなければなりません。少ないカロリーでフルパワーを出せるような体をつくらねばなりません。森の仲間と協同して森を守らなければなりません。
ビジネスでいえば、太陽が上っている間は、お客様を訪問し、人と会うことを大事にすることです。このような会社やビジネスマンは衰えを知りません。メールやwebに依存せず、自分の足で歩いて行動している人たちはとても元気です。人は人を求めており、誰もが知っている情報よりも自分しか知りえない情報を欲しがっているのです。表面的な豊かな生活に安住せず、自然の摂理を取り入れた生活サイクルに切り替えませんか。


2011.08.05:stepup

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