花巻市長選が告示…焦点の新図書館問題の論戦は如何に~変化か現状維持か!!??
「立地適正化計画を柱とする上田市政の総括に有権者の関心が集まっており、とくに市民世論を二分した『新図書館』問題は大きな争点になりそうだ」―。拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』にこう書き記した花巻市長選が18日に告示され、25日の投開票に向けた1週間の選挙戦に突入した。立候補したのはいずれも無所属新人の元県文化スポーツ部長の小原勝(61)、NPO法人代表理事の葛巻徹(48)、元市議の高橋修(55)の3氏(届け出順) この中で、市長選を占うキーワードのひとつである「図書館」案件について、マニフェストなどで具体的に言及したのは葛巻氏だけ。「行政として花巻駅周辺に『駅の橋上化』、『図書館の新設移転』という大きな投資をした成果を他の商店街やエリアに波及させる」として、駅前立地を是認。さらに、図書館立地のもうひとつの有力候補地だった「病院跡地」には「カフェを併設した室内遊び場」の設置を示唆するなど「上田市政」の継承を鮮明にしている。 一方、高橋氏がこの案件に直接触れた部分はないが、同氏は市議時代から駅前立地の早期実現派の急先鋒として知られ、病院跡地へ立地を望む市民団体に対し「いつまでやってんのか」と暴言を浴びせるなど物議をかもした一幕もあった。この日の第1声でも市政全般にわたって、「上田」後継を色濃く打ち出した。また、葛巻、高橋両氏がともに上田市政の”失政”第1号とも言われる「新興跡地」問題にに一切、触れていないことからもその立ち位置が見て取れる。他方、元県職員から転出した小原氏はこの案件の対応には慎重な姿勢を見せており、今後どう向き合うかが注目される。 新図書館建設をめぐっては、昨年12月2日に公募プロポーザル方式によって「昭和設計・tデ・山田紗子建設事務所共同企業体」が3億7100万円(税込み)で、設計業務を受託。駅前立地を決めた現上田東一市長の任期は2月4日で、それまでに正式な契約が結ばれる段取りになっている。設計業務の実施期間は令和8年3月19日までで、その後令和9年度中に建設予定地(JR用地)の取得と既存建物の解体撤去を行い、令和10年度に本体工事に着手、令和12年度のオープンを目指している。 「5年余りの〝従軍〟体験で思い知らされたのは、いわゆる〝民意〟がいかに当局側に都合よく作り上げられていくのかという、まさに民主主義の危機――いわば、ナチス化の実相だった。『民主主義の砦』とも呼ばれる図書館がその舞台だったという事実は地方自治のあり方そのものへの深刻な問いかけでもあった」―。私は拙著のまえがきにこう記している。 新図書館の駅前立地に至るまでの経緯について、「花巻市まちづくり基本条例」(平成20年3月)に定められたパブリックコメント(意見公募)やワークショップ(WS)、市民説明会、対話型市民会議などの「市民参画」手続きが公正・中立に実施されたかどうかを検証。さらに、立地候補地の「事業費比較」調査や「試案検討会議」のあり方、議会における虚偽答弁、JRとの癒着構造、黒塗り文書問題、”密室”行政によるダブルスタンダード、トップダウン方式、公募プロポーザルの進め方などを綿密に精査した。その結果、駅前立地への“民意”が恣意(しい)的に作り上げられたという実態が浮かび上がった(拙著に詳述) 一方、市側に提出された病院跡地への立地を希望する署名総数は10,269筆(うち、花巻市内在住者は6,181筆)。また、現在行われているオンライン署名数も5,790筆(1月20日現在)に上っており、呼びかけ団体は「1万筆を目指したい」と言っている。いずれにせよ、“駅前図書館”の合意形成に至るまでの経過の再検証と病院跡地への立地を望むもうひとつの大きな“民意”をどう評価するのか―新図書館問題は新しい市政下で、待ったなしの“剣ヶ峰”に立たされることになる。その新市長が招集する3月定例市議会(会期22日間)は1か月の後の2月25日に迫っている。そして今度は”高市”ショックの襲来(衆院の解散・総選挙)… 「図書館」こそがそのまちのシビック・プライド(地に根差した郷土愛)を象徴する”知のインフラ”であることを忘れてはならない。なお、オンライン署名など市民団体の動きについては、以下の「おいものブログ」(夢の図書館を目指して)にその経過が詳しく書かれています。 (写真は告示と同時に貼り出された選挙ポスタ-=1月18日、花巻市桜町で) ★オンライン署名のお願い★ 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。 ●オンライン署名の入り口は以下から https://chng.it/khxdhyqLNS ●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ ・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba ・ヒカリノミチ通信(増子義久) https://samidare.jp/masuko/ ・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」 https://oimonosenaka.seesaa.net/
2026.01.18