(続)”パワハラ”首長の雲泥の差…懲りない面々、片や「百条委員会」設置のテンヤワンヤ

  • (続)”パワハラ”首長の雲泥の差…懲りない面々、片や「百条委員会」設置のテンヤワンヤ

 

 「市役所にサウナ持ち込み/職員にパワハラ。大坂・池田市長に百条委『不信任相当』」―。今度はこんな大見出しの記事が目に飛び込んできた。イヤハヤ、気の休まる暇がない。当市花巻も同じような問題(パワハラ疑惑)を抱えているが、果たして議会側にはこれまでのような手ぬるい追及(3月3日付当ブログ参照)ではなく、伝家の宝刀(百条委)を抜く覚悟があるのかどうか―

 

 

 大阪府池田市の冨田裕樹市長(44)が市役所に家庭用サウナを持ち込むなどした問題で、市議会調査特別委員会(百条委員会)が7日、報告書案を固めた。職員へのパワハラなども認めたうえで、「市長としての資質を著しく欠く」とし、「不信任に相当」と明記する方針だ。12日の会合で正式決定する。

 

 サウナの問題は昨年10月に報道で発覚した。市議会は同11月に百条委を設置し、冨田氏や市職員を証人喚問して調査を進めてきた。関係者によると、7日の非公開協議で報告書案をほぼまとめた。発端になったサウナの持ち込みについて冨田氏は「スポーツ障害の症状緩和のため」と正当性を主張した。ただ百条委側は、障害を裏付ける診断書などを冨田氏が示さなかったとし、「弁解の余地のないあるまじき行為だ」と批判した。調査の過程で、冨田氏が多くの私物を持ち込み、昨年9~10月に計17日間、市役所に宿泊したことが判明した。昨夏の休暇時、「淡路島兵庫県)に行った」と議会で答弁したが、実際は九州を旅行していたことも後に明らかになった。

 

 冨田氏は「私が公務と認識した時点で公務だ」と述べ、市役所での宿泊は問題ないとしたが、百条委は宿泊が必要なほどの公務はなかったと判断し、「公私混同で不適切な庁舎使用だ」とした。さらに冨田氏が百条委で「淡路島には行かなかった」と議会での答弁内容を翻したため、「虚偽答弁をした」と断じた。 冨田氏は市外の自宅との往復のため、公務用のタクシーチケットを計15回使った。百条委は自宅としての届け出がなかったとし、私的流用と認定した。

 

 百条委はさらに市職員へのアンケートなどから、冨田氏が職員を大声で叱責(しっせき)したり、使用済みタオルを洗わせたりといったパワハラ行為があったと認定した。富田氏が、市長公務でしか使えない市役所駐車場定期券を自身の後援者に使わせていたことも、公職選挙法が禁じる寄付行為にあたる疑いがあると指摘した。百条委は、冨田氏の一連の言動について「良識ある人間なら到底考えられない」と総括し、市議会として「不信任決議」が相当と結論づけた。

 

 冨田氏は大阪維新の会公認で2019年に初当選し、現在1期目。問題発覚後の昨年11月に維新を離党している。地方自治法では、3分の2以上の議員が出席し、4分の3以上が不信任決議に賛成すれば、市長が10日以内に議会を解散しない限り失職する。関係者によると、池田市の全議員の4分の3以上が不信任に賛成する見込みだ(4月8日付「朝日新聞」)

 

 

<百条委員会の報告書案>(要旨=職員等へのパワハラ疑惑について)

 

 市職員を対象にしたパワハラに関するアンケートを実施した結果、多くの職員から、首長という立場で、自身の意に沿わない職員などに対して大声での叱責(しっせき)や威圧的な振る舞い、そして、身近な秘書課職員等に対しては、執拗(しつよう)な叱責(しっせき)や公私混同甚だしい指示を与えるなど、冨田市長によるパワハラ行為があったものと認められる。冨田市長の証人喚問では、アンケート結果について、確実性がないと反論するとともに、職員から証言のあったパワハラ案件に対しても、「指導」という都合のよい言葉を隠れみのにし、精神的に苦痛を与え、就業環境を害していたものであるにもかかわらず、醜い弁解に終始するだけであり、良識を疑わざるを得ない。

 

 

 

(写真は渦中の冨田・池田市長=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

 

 

 

 

 

2021.04.08:masuko:[ヒカリノミチ通信について]

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