さようなら―結海

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 東日本大震災の1年後、三陸沿岸の被災地・大槌町と日本海側の秋田県五城目町とを結ぶ中間点―花巻市に誕生した「かけはし交流産直-結海(ゆうみ)」が今月いっぱいで閉店することになり、20日に「さようなら感謝祭」が現地で開かれた。「あの日」―五城目町の老人クラブの一行が宿泊先の大槌町のホテルで被災したが、従業員の適切な救助活動で全員が無事に避難した。花巻市の漬物製造販売業「道奥(みちのく)」(阿部久美子社長)がこの話を聞きつけ、「海と海とを結ぶ」架け橋になろうと敷地内のレストランを提供して開業した。

 従業員4人は沿岸被災地から花巻市に避難した被災者で、国の緊急雇用創出事業(被災者救済事業)で採用された。店長の平野菊枝さん(67)は大槌町からの避難者で、当時は被災したホテルの従業員。「お年寄りたちを無我夢中で高台に誘導した。その後、この時の縁で結海で働くことになった。あっという間の5年間だった」と平野さん。被災者救済事業が今年度で終了することになったための閉店で、平野さんら4人の被災者は引き続き「道奥」に雇用されることになった。

 この日、花巻市内に居を移した被災者や支援団体「ゆいっこ花巻」などの関係者が最後の交流にかけつけた。昨年7月に市内に家を新築し、永住を決めた大槌町出身の伊藤ヤスさん(79)は「毎月11日にはここで故郷の友人と再会するのを楽しみにしていた」と閉店を惜しんだ。今後も店内の一角に「結海コ-ナ-」を設置することにしており、阿部社長も「結海で培った絆(きずな)は失われることはない」と力を込めた。

 結海の人気イベントのひとつが花巻市民有志による「歌声広場」。被災者や支援者が一堂に集い、「ふるさと」などの歌に声を合わせた。この時の益金の一部が「ゆいっこ花巻」に寄せられたのを受け、この日、これまでの感謝の意を込めた感謝状がゆいっこ花巻から結海へ送られた。会場では安渡太神楽(大槌町)となまはげ太鼓(秋田県男鹿市)も披露され、震災5年後のさらなる交流を誓い合った。


(写真は三陸と日本海の名産品が並べられた店内=20日、花巻市西宮野目の「結海」で)
2016.03.20:masuko:[身辺報告]

結海ー1

  • 結海ー1
結海とともに被災者支援を続けてきた「ゆいっこ花巻」も石焼イモなどの販売コーナーを設けた。こちらも全員が被災者=20日、花巻市西宮野目ので
2016.03.20:[編集/削除]

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